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概要

ホメオパシー的災害対策

10 まえがきまえがき東日本大震災で日本人に突き付けられたもの2011年3月11日の東日本大震災のときに最も必要とされたのは、心の訓練(インナーチャイルド[以下インチャ]癒し)と食料であった。日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)では災害支援団を作り、被災地支援に4回行った。そこには私がテレビ局に勤務していたころに見た、爆弾を落とされた戦争最前線の地域と同じ光景が広がっていた。破壊された家屋、あちこちに転がっている動物の死体、どこから手をつけたらいいのか途方に暮れんばかりのがれきの山……。恐怖の冷めやらぬ中、健気にも片づけをしている多くの人々がいた。自分の生活もままならないだろうに、先祖を思い倒れた墓石を起こしている人々がいた。墓のあちこちには花が置かれていた。帰って来ない家族を思ってか、うずくまって泣いている人もいた。頭にけがをし手をもがれた地蔵様がいた。江戸時代の主君は災害が起こるたびに自らの行いが悪かったからだ、自分に徳がなかったからだと自責し、身を正して行いを清らかにする努力をしたそうだ。それに倣い、なぜ東日本大震災が起きたのか、日本人は何をすべきなのかと自問してみた。そして気付いた。日本は第二次世界大戦(大東亜戦争)後、大切な何かを失ってしまった。それは目には見えないが人として生きるための根幹となるもの、信仰心である。大いなる自然に畏敬の念をもち、生かされている理を知る。そして人々を敬い、生きとし生けるものを敬い、さらに物を敬う。それは自分だけが幸せになればいいと思うエゴの心では感じ得ないものである。自然が繰り広げる偉大なる変化に目を奪われ、感激したことがたくさんあるだろう。あの山の頂上から見た雲海、あの夕焼け、あの空の青さ、あの田んぼに降り注ぐ雨。これらのおかげで、どれほど私たちの心は潤い、生かされていることに、生きていることに、心から感謝できるようになるだろうか。大自然の雄大さに触れるたび小さなこだわりははがれ落ち、大自然の厳しさに触れる