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概要

ホメオパシー的災害対策

11たび小さなことに喜びを感じられるようになるだろう。災害が起きたのは事実である。日本は必然性があって、この災害を受け取ったのだ。その中で何に気づき、どう行動するか、それこそが日本人一人一人に突き付けられているものだと思う。インナーチャイルド癒しに取り組む3.11以後、私は新たな活動を始めた。その一つが私自身が20年前から行っている、罪悪感、恐怖、悲しみ、怒りを乗り越えるインチャ癒しの実践教育だ。妊娠中に夫を亡くした私の母は、3番目の子どもであった私を堕ろそうと冷たい水で泳ぎ、石を持って踏ん張ったり、お腹を叩いたりしたそうだ。胎児は母親の気持ちがわかるので、お腹にいたときにすでに否定され傷ついた悲しみのインチャが私の根底にできあがっていたように思う。物心がつき、自分を堕ろそうとした話を祖母や母から聞くたびに「自分はいらん子だ」と悲しく惨めな気持ちになり、なんとかして認められたくて一生懸命がんばるようになった。しかし母が私を認めることは決してなかった。愛されない悲しみや涙を抑圧したためにやがて怒りに変わり、その話を聞くと私は怒り狂って暴れるようになった。これ以上の否定を受け入れないように怒りで防衛し闘っていたのだ。自分にも生きる権利があるのだと。自分も兄たちのように母から愛してもらいたかったから。そうして怒る私を、母は蔑み、ばかなやつと言わんばかりに無視した。闘いに負けた私は深い悲しみ、無力さを感じるようになり、それは次第に恨みや憎しみの感情へと変わっていった。深く悲しんでいる自分(インチャ)、無力感でいっぱいの自分(インチャ)、そしてその奥には怒り狂っている自分(インチャ)がいた。さらに奥には不安で仕方がない自分(インチャ)、愛してもらえない悲しみに泣き暮れている自分(インチャ)がいた。抑圧されたそれらの感情(インチャ)は大人になっても未解決なまま心に存在し、否定され、蔑まれ、無視される状況に遭遇するたびインチャが共鳴し、感情がわき出て苦しくなってしまうのだった。インチャが「私はここにいる!」「私を見つけて!」という叫び声をあげていたのである。