愛は治癒力を活性化する

愛は治癒力を活性化する page 20/38

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概要:
心理学, 心理療法, 愛

18 つまり、人格そのものが病んでいるわけではないのです。たとえるなら、精神を病んだ人というのは、言うことを聞かずに暴走する馬に乗っている騎手のようなものです。馬が騎手の指示通りに走らず、暴走してしまうことが問題なのです。 したがって、精神疾患とは、(それが心因性の場合)質的4 4な異常ではなく、量的4 4な異常にすぎないわけです。弦が張りすぎたり緩すぎたりして音程が狂っている楽器と同じで、楽器そのものが壊れているわけではないのです。 ところで、このような量的な異常というものは、「どこからが異常でどこからが健常か」の線引きがあいまいになります。心の領域には、楽器の調律のような明確な基準は存在しません。心の健康の度合いは、社会生活や人間関係に支障を来すことなく適応できるかどうかで決められるのが一般的です。 すなわち、「社会生活に適応できれば健常、適応できなければ異常」ということになるのです。過去の天才の中には、精神疾患と診断されるような人が少なからずいたようですが、彼らが「精神病者」とは呼ばれず、「天才」と呼ばれたのは、社会に適応できたからです。 このように、健常と異常の違いが量的な差にすぎないとしたら、やや極論になりますが、私たちはみんな多少なりとも精神疾患を患っている、少なくともその気質があると言っても間違いではないわけです。 したがって、クライアントに対して、「この人は異常者なんだ」と、あたかも自分とは異質な人間で