愛は治癒力を活性化する

愛は治癒力を活性化する page 21/38

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概要:
心理学, 心理療法, 愛

19 第1 章 性格と運命を決めるものも見るかのように接することは、適切ではないのです。患者イコール異常者と考えてはいけません。そのように見てしまうと、治癒をもたらす関係性を築くことができなくなるからです。◇人はみんなパーソナリティ障害を持っている? たとえば、最近話題となっている「パーソナリティ障害(人格障害)」なども、症状の程度によって健常と診断されたり、異常(病気)と診断されたりします。パーソナリティ障害は、性格に極端な偏りがあるため、他者や社会とうまく関係が築けないという症状を示すのですが、これも量的な違いにすぎず、すべての人がパーソナリティ障害を多少なりとも抱えていると言えるのです。そのため、単なる性格の問題と見なされてしまうことがよくあります。 パーソナリティ障害は、自己愛性や妄想性など、いくつかの種類に分類されていますが、よく知られているのが「境界性」です。最近、二十代の若者の自殺率が増えて社会問題になっていますが、その背後に、この境界性パーソナリティ障害があるとも言われています。 境界性パーソナリティ障害の「境界」とは、健常と精神疾患の境界(ボーダー)という意味ではなく、もともとは鬱病などの気分障害と、統合失調症のような精神疾患との境界を示すものでした。つまり、境界性パーソナリティ障害は、鬱病と統合失調症の両方の特徴が示されるのです。後には神経症(不安