愛は治癒力を活性化する

愛は治癒力を活性化する page 26/38

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概要:
心理学, 心理療法, 愛

24持った人を好きになり、結ばれるわけです。自分というより衝動が、そういう相手を好きになるのです。 逆に、マゾヒズムの衝動を持つ人は、サディズムの衝動を持つ人に惹かれ、関係を築いて服従的になり、無意識のうちに苦痛を受けるような扱いを求めたりします。本人はそんな関係に苦しんで解消することを望みますが、「別の人格」であるマゾヒズムの衝動がそれを許さず、いつまでも不幸な関係から抜け出せないといったことが起こるわけです。 このように、私たちは、自分でも気づかないうちに衝動に操られていることが多く、自分の意志で恋人や結婚相手を選び、職業を選択しているように思えても、実は衝動によって選ばされている4 4 4 4 4 4 4ことがあるわけです。 本書では、衝動で構築された「別の人格」の総体を「自我」と定義しています。 そのため、自我の性質、すなわち、自分はどんな衝動を持っているかを知れば、どのような友人や恋人を選ぶ傾向を持っているか、どのような職業につき、どのような運命を歩みやすいかといったことを、おおよそ推測できることになります。また、どのような精神疾患の素因を持っているかも推測できます。 詳しい説明は後に譲りますが、私たちの自我は、全部で八つの衝動から構成されています。心のなかに八人の人格が住んでいるわけです。その八人とは、詩人、狩人、支援者、冒険家、裁判官、政治家、聖者、英雄です。これらの名称は、衝動の特徴をわかりやすく表現したニックネームにすぎず、深い意味はありません。正式な名称は次のようになります。