目に見えない病気

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概要:
目に見えない病気, ホメオパシー, 精神疾患

6五つの病因(天体因・毒因・自然因・精神因・神因)を記述した『ヴォルーメン・パラミールム』の言葉で言えば、本書を起点にして、毒因・自然因・天体因を主要原因とする「目に見える身体」の病気から、精神因を主要原因とする「目に見えない身体」の病気へと、追究の方向を変えていったということです。さらに、最晩年の『大天文学』の言葉で言うなら、「元素的身体」の医学から「星辰的身体」の医学へと、その医学を変貌させたということです。元素的身体の病気の原因である元素的精神は、嫉妬や憎悪などの感情のことであり、これらの感情は、梅毒やペストの原因とされていました。もちろん『大天文学』では、星辰的身体の病気の追究へと向かいます。ただし、パラケルススが述べている「目に見える身体の病気」と「目に見えない身体の病気」は、現代の身体疾患と精神疾患にきれいに対応しているわけではないことには、注意をしておく必要はあります。梅毒やペストなど、ある一定の集団で感染する病気は、時代の疾病観に大きな影響を及ぼしました。元素的身体に関するパラケルススの疾病観も、梅毒やペストなどの病気を克服する試みのなかで形成されました。星辰的身体の病気の場合も同様です。