目に見えない病気

目に見えない病気 page 7/28

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概要:
目に見えない病気, ホメオパシー, 精神疾患

3監修者まえがき( 読者のみなさんへ)ような純粋に還元主義的かつ物質主義的な見地というものは、思いもよらなかったであろう。彼にとって、化学的物体は精神的価値と調和しているのであり、見いだされたもろもろの原理は永遠不変の法則である。パラケルススにとって医学は、生命力や自然の叡智、そして人間本性が有する精神機能を含み込むものであった。こうした方向性を有するがゆえに、パラケルスス医学は、後世に伝統医学や代替医学において見いだされる内容を先取りするものであった」。これは正鵠を射た指摘です。この点を踏まえて以下では、『目に見えない病気』を読むためのヒントをいくつか提示しましょう。本書の書かれた背景や位置づけ、そして簡単な内容の概観を行います。本書が書かれたのは一五三一年です。一四九三年生まれの彼にとって、三十代後半の時期です。バーゼル大学を追われて数年たちます。一五二八年に『ベルテオネア』(外科学書)、一五二九年には『ヴォルーメン・パラミールム』やフランス病に関するもの、一五三〇年には『パラグラーヌム』など、代表作を次々に書き上げていきました。その一方で、精神医学書に関しても、『理性を奪う病気』(一五二五年以降)、てんかん