目に見えない病気

目に見えない病気 page 9/28

電子ブックを開く

このページは 目に見えない病気 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
目に見えない病気, ホメオパシー, 精神疾患

5監修者まえがき( 読者のみなさんへ)当てていません。なぜなら、パラケルススの指摘を待つまでもなく、すでに当時、占星術的決定論では人々が病気になる原因を十分に説明することが難しくなっていたからです。そもそも天体の運行によって人々が病気になるなら、多くの人々がほとんど同時に病気にかかっていたはずです。パラケルススがインスブルックからシュテルツィングへと移動していたとき、その移動はペストの感染経路でもありました。この「感染経路」というのは今の私たちが使っている言葉であり、パラケルススの言葉ではありません。パラケルススには、現代の私たちのような、感染症に対する認識もありませんでした。パラケルススは、天体が決定論的に原因であるなら、人々がペストにかかる時期にずれがあることはおかしいと、疑問を持ったはずです。どの地域でも天体の運行は同じに見えたはずだからです。こうした決定論は、『ヴィルーメン・パラミールム』の「天体因」の記述からうかがえるように、パラケルススの取る立場ではありませんでした。パラケルススは、こうしたなかで想像力の働きに注目していきました。ここでは、この概念についてこれ以上踏み込むことは控えますが、ほかの著作と関連づけて、本書の位置づけを次のように確認しておきたいと思います。