イラクサをつかめ

イラクサをつかめ page 20/32

電子ブックを開く

このページは イラクサをつかめ の電子ブックに掲載されている20ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
バイオダイナミック, 自然農法, 農業, ホメオパシー

18バイオダイナミック運動の歴史バイオダイナミック農法とその近代的農業への意義を理解するには、シュタイナーの農業講座の背景を一瞥しておくとよいでしょう。一連の講義は、ポーランド西部のオーストリアと国境を接するコーべルヴィッツの農園で農業者の小さな集まりに向けて行われたものです。当時、普通に行われていた農法は、今日私たちが「有機」と呼んでいる農法でした。農業者は人工的な肥料を使っていなかったのです。越冬用畜舎にたまった糞はすべて畑に戻し、緑肥を育てたり、輪作をうまく活用したりして、きわめて肥沃な土壌を維持していました。しかし、よい土壌と元気な家畜がそろっていても、作物の状態が思わしくないことに農業者たちは気づいたのです。種は以前のように発芽せず、家畜は病気にかかりがちで、食物は前ほど美味ではなくなったのです。なんとかしなくてはなりませんでした。農業者のなかにルドルフ・シュタイナーの精神科学という思想のことを知っていた者がおり、シュタイナーにこの問題に取り組んでもらえないかと尋ねました。シュタイナーは、植物は土壌の肥沃さのみによって育つのではなく、宇宙の支え、すなわち太陽、月、惑星、