毒と私

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概要:
毒と私, 幻冬舎, 由井寅子著

27月9日、この訴訟を『読売新聞』が報道しました。それによると、訴訟の原因は、助産師が「ビタミンKを投与せず」、女児が「ビタミンK欠乏性出血症と診断され」死亡したことにありました。続いて7月31日、朝日新聞が、助産師がホメオパシー療法を用いていたことを紹介する記事を掲載すると、ネットを中心にホメオパシーへのバッシングが始まりました。この事件が起こる前は、自然分娩を推進する助産師や産婦人科の先生のなかには、新生児への影響を考え、ホメオパシーと関係なくビタミンKを与えない人も多くいました。マスコミの報道には、私たちの把握している事実と異なる点がいくつかありますが、その指摘は後にして、まず事実に基づく訴訟の推移を簡単に述べます。2010年9月、この事件を受けた日本小児科学会は、新生児の脳出血などを予防するためのビタミンK投与について、「生後1ヵ月までに3回」とするそれまでの指針を、「生後3ヵ月まで毎週1回」と、投与期間の延長と回数を大幅に増やす改定を行いました。一方、訴訟を起こしたとき、原告の母親は第三子を妊娠していました。今回、彼女は病院の産婦人科医のもとで出産を行いました。生まれた子どもは、おそらく改定後の投与法に準じてビタミンKを十分に与えられたことでしょう。ところが、この第三子も生後4ヵ月で死亡してしまったのです。第三子が亡くなられた直後、原告(母親)は、被告(助産師)と和解をしました。以前か