毒と私

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概要:
毒と私, 幻冬舎, 由井寅子著

5 はじめになら、ホメオパシーの名誉を回復することができるのではないかと考えていました。というのは、彼女は3年間ホメオパシーを使っていらっしゃったと聞いており、ホメオパシーの良さを知っているはずだと信じるからです。実際、この母親は裁判を起こす前、自分がこのように騒ぐことでホメオパシーが使えなくなるのではないかと、助産師に対して懸念する発言をされていました。もし、「ホメオパシーで長女死亡」という『朝日新聞』の見出しに対して、「ホメオパシーで死んだのではない」と彼女が真実を述べてくれるのであれば、ホメオパシーが救われるのではないか、そして、日本でホメオパシーを行うホメオパスたちにも、大きな希望が湧いてくるのではないかと考えました。さらに、心や体を癒やすホメオパシーへの否定的イメージがいくばくかでも晴れ、興味を持ってくれる人がいるなら、それらの人々および彼らにとって大切な人々にその恩恵が行き届くと考え、私は母親宛に手紙を出しました。残念なことに、いまだお返事はいただけていません。その後、このご家族は夫の母国であるアフリカに行かれたと聞いています。現在のところ、残されたのは、ホメオパシーに対するネット上のバッシングと偏見の目だけです。自己治癒力を使って病める人々が良くなっていくことを願う私たちの活動に、この事件は大きな障害をもたらしました。