エスクァイア 〔1999・4〕 Vol.13医療ビッグバンがやってくる! ] 

■エスクァイア日本語版 Vol.13(1999.4月) 医療ビックバンがやってくる!
治癒力を高める代替医療オールカタログ
毒の波動で癒す。ホメオパシー。

■毒の波動は、気づきを与え自然治癒力を喚起する。

「最初は信じられないと思いますが、これが自然の摂理です。」 由井寅子さんは日本でのホメオパシー普及を目指す。 「体が2つ折りになるくらい苦しんだんですよ」 長年テレビ界で戦争、天災などの報道に携わり、世界中を駆け巡っていた由井さんは、32歳の若さで潰瘍性大腸炎という難病を患い、ひどい下血を繰り返していた。万策尽きた時、運命的にホメオパシーと出会い、僅か4粒のレメディー(ヒ素とガン細胞)で完治するという奇跡とも言える体験をした当時を振り返る。

「昔の症状が戻って3日間動けなくなり、今まで抑圧してきた感情が吹き出てきました。その後フッと力みが消え自然体に戻ったんです。人生を辛く苦しいものにしていたのは、自分の心にあったんですね。それに気づいた時、下血も自然と止まりました。」

由井さんがもらったヒ素とガン細胞のレメディーは、十の二千乗(0が二千個続く数字)倍希釈された、想像を絶する程に薄められたもの。 ホメオパシーは、今から200年前にドイツの医師、ハーネマンがその生涯をかけて確立させた療法で、その萌芽は、古代ギリシャのヒポクラテスまで遡る。ホメオパシーでは、「症状を起こさせるもの(毒)は、薄めることによって、症状を取り去るもの(薬)になる」という根本原理から「同種療法」と呼ばれている。

「レメディーの持つ毒のパターンが体に入ることによって、体の中にある毒のパターンが増幅され、自分の体が「ああ、私は病気だったんだ!」と気づくことができます。ホメオパシーは、毒の波動で気づきを与え、自分から治ろうとする意志が働いて、病気を押し出すのです。これが本当の自己治癒力です。」

たとえば熱が出た時、普通熱を下げる薬剤で無理に熱を下げようとする。しかしホメオパシーでは、逆に熱を上げる熱の花を薄めたレメディー(例えばベラドーナ)を使うことで、熱を押し出し、逆に自然に熱を下げてくれるという。誠に不思議な療法である。

「最初は信じられないと思いますが、これが本当の自然の摂理ですよ。自分で体験すれば分かります。原因があって出ている症状を止めてもしかたありません。ホメオパシーでは自然体に戻るために症状を出し切るようにします。」

由井さんは、自身の体験から、多くの人に自己治癒力の素晴らしさに気づいて欲しいと思い大学院まで5年間ホメオパシーを学び、日本人初の英国の認定ホメオパス(ホメオパシー療法家)となる。 現在英国在住で、年三回来日し講演活動などを行ってきたが、いよいよ今年の夏に日本に戻ってくる。

「日本からホメオパスを誕生させ多くの人がホメオパシーの恩恵を受けられるようになるのが私の願いです」と語る由井さんは、英国の協会が認定したホメオパシーの学校、ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシーを日本に創設し、今その指導に力を入れている。 代替療法の切り札と言われ今世界的に注目を集めているホメオパシーが、日本に普及する日も近い。