Fili 〔2001・09〕  由井学長、元素のレメディーについてコメント 

Fili 9月号
元素のレメディーについて
文:由井寅子

森羅万象は、固有の形を持っていて、私達も見分けることができます。それは物質に限らず、心や感情も同じです。生物、無生物問わず、どんなに複雑なものでも、宇宙の全ての物は、100個程の元素の組み合わせから成り立っています。言い換えれば、この100個の元素の中に全ての根元的な形(パターン)が潜んでいると言えるかもしれません。 各元素は、固有の振動パターンを持ち、それぞれにある役割を持って生体内に存在しています。私達が元素の組み合わせの集合体である以上、私達の心や思考のパターンもこれら元素のパターンと無関係ではあり得ません。 形というのは、周波数の違いにより物質的であったり非物質的であったりしますが、元素の持つ形を心や感情レベルの周波数に上げるテクノロジーがホメオパシーの中にあり、そうして変換された各元素のレメディーは、私達の根元的な心のパターンと密接に対応していることが分かりました。

たとえば、砒素の中に死への恐怖のパターンが、水銀の中に怒りと破壊のパターンが潜んでいるのです。 逆に非物質的な形を物質化させるシステムがこの地球にはあると考えます。たとえば、植物や動物が憎しみや恐怖のエネルギーを吸収して毒として物質化させることで無毒化しているように……。同様に生物の出す想念が、時に鉱物や元素を作り出す見えざる種子となっているような気がするのです。 強烈な死への恐怖は、地中の中で砒素を作り出す種となり、深い悲しみは、深海に溶け、岩塩を作り出す種となるのではないかと思うのです。 しかしその中にホメオパシーは本当の愛を見ます。それは、自分を自然に戻せるのは、自分の中にある不自然さを写し出すものだけだからです。もしこの世に毒がなかったら、私達は、自分の中にある不自然さに気づくことはなかったでしょう。

森羅万象は、100個の根元的なパターンを基本として、全てが全てと密接に関係していると考えるのです。クラシカルの大家は、ジャンの元素のレメディーを酷評していますが、私の臨床経験からとても有効であることを確認しており、現在では、私のホメオパシー健康相談になくてはならないレメディーとなっています。 私達ホメオパスは、古い形式にとらわれず、本当に優れたものであれば、正当に評価し形式を変えていく必要があると考えます。私達が必要としているのは同種のレメディーであり、もし有益な体系があれば、それを学ぶことは正しいレメディーを選択するための新しい視点を持つことになるのですから。

■由井寅子プロフィール
1953年愛媛県生まれ。美術学校卒業後、テレビ界で報道担当として戦争、天災、飢餓、事故などの特集に関わる。日本で10年、英国で8年、世界中を駆け巡る中で潰瘍性大腸炎を患う。万策尽きた時、ホメオパシーと運命的な出会いをし、わずか4粒のレメディーで完治するという体験をする。 その後、会社を辞め英国にてホメオパシーを修得。日本人初のHMA(英国ホメオパシー医学協会)認定ホメオパスとなる。 1997年、日本にホメオパシーの学校(ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー)を創設し、現在その指導に尽力している。 Ph D Hom(ホメオパシー博士)/FHMA(HMA名誉会員)/HMA認定ホメオパス 日本ホメオパシー医学協会会長