自然治癒力 〔1997・2〕 ホメオパシー(同種療法)はホリスティックな自然療法医学!

■1997年2月15日発行

ホメオパシー(同種療法)はホリスティックな自然療法医学!

●「同種療法」と訳されるホメオパシーという治療法は、現代西洋医学に代表される逆療法、たとえば高熱には解熱剤を与えるといった療法と反対に、「同種」が示すとおり病気の症状を同じ症状を起こすものを「超微量」投与する方法です。副作用が無く難病にも極めて有効といわれており、欧米では保険にも指定されているほど基盤のしっかりした治療法です。

●何年も患っていた病をホメオパス(ホメオパシー医師)に診てもらったところ、わずか一ヶ月で完治したことがきっかけで、自身もホメオパスの資格を得た由井寅子先生はロンドンに居を構え、イギリス在住の日本人を対象にした治療活動を行なっていらっしゃいます。また今春には日本人のためのホメオパシーの通信教育がスタートします。

●今回は、ホメオパシーと由井寅子さんについての導入編をお届けします。
  CLOSE UP! 今春、ホメオパシーの通信教育 日本でスタート!
イギリス在住ホメオパス 由井寅子先生
約二千四百年前、医学の祖ヒポクラテスは自然治癒力を医療の基本におき、同種療法と逆療法を使い分けたといわれています。そして約二百年前ドイツの医師サミュエル・ハーネマンはマラリアの特効薬キニーネを煎じて飲みマラリアと同じ症状になったことから、「健康な人に投与して、ある病気と同じ症状を起こさせるものは、その病気を治すことができる」というホメオパシーの基本原理「同種の法則」を再発見。以来ハーネマンは自分自身や同僚にあらゆる動植物や鉱物を投与、その結果一時的に生じる症状を観察することを繰り返し、現在数千種にも及ぶレメディー(ホメオパシー薬)の基礎を築き上げたのです。その集大成が『マテリア・メディカ』でハーネマンは「ホメオパシーの父」として深く敬愛されています。ホメオパシーのレメディーはハーブや蜂蜜等の動植物や水銀等の鉱物も使われますが、最大の特徴はほとんど無限ともいえる希釈倍率にあります。十の二十四乗を超えて希釈するとアボガドロ限界(※欄外参照)を過ぎ原分子が残りませんが、それを遥かに超えて薄めうることが殆どなので毒性や副作用がまったくなく安全で、妊婦や幼児も安心して服用できます。しかも効果は逆に薄めるほど強くなるというのです。量子力学的には粒子としては何もなくても波動は残り、むしろ希釈によって振動数が高くなるためエネルギーが強くなると説明されています。 また先祖の重病や公害等に起因する細胞や遺伝子の微妙な歪みが人の根本体質・土壌(マヤズム)を形成し、病気はそこから芽を出しているといいます。それ故、ホメオパスは問診により患者のマヤズムを診断し、最適なレメディーを選びます。つまりホメオパシーは病気の症状に対抗して表面的に症状だけを消すのではなく、体内の気の流れや活力を刺激し、自らの自然治癒力で根本から病気の根を溶かしていくホリスティックな医学です。
身体内の気の流れを刺激し、自然治癒力を高める。 由井寅子先生は英国唯一の日本人ホメオパス。日本でテレビ局に1年勤めた後、更なる飛躍を求めて渡英。報道ディレクターとして世界中を駆け回るうち、戦争や天災等の悲惨な状況を目前にした人間的感情とそれを許さないプロ意識の葛藤から腫瘍性大腸炎を患い長年苦しみました。それをホメオパスに一ヶ月で完治してもらった事、また極限状況を前にして人間の実存的意味を深く考えざるを得なかった事からホメオパシーを多くの人に伝えたいと思い、テレビ界を去り猛勉強。ラテン語、ギリシャ語、古典英語と格闘しながらクラシカル・ホメオパシーを一年、プラクティカルを大学院を含め四年、臨床も四年経験しており、国家が認定する協会試験にも一回で合格されました。
由井先生の診療所は、ロンドンの高級住宅地スイスコテッジにあって、元は教会だったという瀟洒な建物。天井が高く、神聖で安らぎに満ちた霊気の中で難病の患者も日々癒されています。さて四月から日本向けにホメオパシーの通信カレッジ『ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー』が開校予定。通信教育では英国と日本でスクーリングもあるそうです。それでは次回は由井先生のお人柄と学校について詳しくご紹介いたしましょう。 (つづく)
※アボガドロ数  化学・物理学における基礎定数の一つ。1モル(質量数12の炭素12gに含まれる炭素原子と同数<約6.02×10の23乗>の単位粒子を含む系の物質量)の物質中に含まれるその物質の構成粒子の数。