日刊現代 〔1999・5〕 話題の焦点 ホメオパシーで病気に勝つ! ] 

■日刊現代 1999年5月22日
話題の焦点ホメオパシーで病気に勝つ!
副作用も依存症も心配なし!
毒をもって毒を制す!

最近日本でも注目され始めた「ホメオパシー」は、英国王室御用達の"代替療法"で、一般的に「同種療法」と訳される。 例えば、不眠症だ。西洋医学的な対処法なら「睡眠薬」を与えるが、ホメオパシーでは全く逆の発想をする。普通なら寝付けなくなるはずのコーヒーの成分をごく微量だけ 含む「コフィア」という 「レメディー(ホメオパシーにおける薬のようなもの)」を飲むのだ。
アトピーなどの現代病やエイズに代表される難病などについても、米国では、現代医学の行き詰まりからさまざまなレメディーが見直され始めている。

「症状を無理やり抑え込むのではなく、症状 と同種のレメディーを与えることで一時的に症状を増幅させ、それによって自然治癒力を刺激し高 めるというのが、ホメオパシーの考え方です。本来備わっている力によって治すのですから、副作用や薬物依存症などの心配が一切ありません。」

こう話すのは、一昨年に日本で設立された「ロイヤルアカデミー・オブ・ホメオパシー」 学長の由井寅子氏だ。 同氏は「英国ホメオパシー医学協会」認定の"ホメオパス"という専門の資格を持つ、 数少ない日本人の一人である。 一時的に症状を増幅させ、自然治癒力を高める "毒を盛って毒を制す"レメディーをいくつか紹介すると…。
●トリカブトが原料のアコナイト(風邪の引き始めなど)
●ストリキニーネの原木マチンが原料のナックス・ボミカ(食べ過ぎ・二日酔いなど)
●毒蔦が原料のラス・トックス(肩・首の凝りや痛みなど)
●硝酸銀が原料のアージ・ニット(心配事や不安感が原因の腹痛など)
●ヒ素が原料のアーセニカム(食中毒や下痢など)
●南米の毒ヘビが原料のラカシス(心臓など循環器系のトラブルなど)

「一般家庭で常備薬として使われるようなレメディーは、原料を水で一兆倍以上にまで薄めてあるので、化学的には水と変わらず、習慣性や中毒性の心配はありません。 服用後は一時的に症状が悪化したように見えることがありますが、これは自然治癒力のスイッチが入った証拠です。(由井氏=前出)

症状が急性の場合は10分〜1時間おきに一錠ずつ、 不眠症など慢性の場合は1日一粒で3〜4日 服用して様子を見る。少しでも症状に 変化が表れた時点でストップすること。

「英国には入院施設のある "王立ホメオパシー病院" や専門の薬局もあり、一般的な療法として普及していますが、日本はこれから。基本的にレメディーを服用する際にはホメオパスなどの専門家のアドバイスを受けた方が無難です」(由井氏=前出)
由井寅子さんは日本でのホメオパシ−普及を目指す。