ホメオパシーとは? 『veggy(ベジィ)』 2014年7月号より引用 (2014/6/24)

 ホメオパシーの第一人者の由井寅子さん(通称、とらこ先生)、実はホメオパス、農民以外にインナーチャイルド癒しの先駆者としての顔もあります。悲しみ、恐れ、怒り、恨み、罪悪感、嫉妬……「どんな感情もありがたい!」と言い切るとらこ先生。
そんなユニークな発想のとらこ先生にインナーチャイルド癒しの極意をインタビューしてきました。子どもを叩いてしまう、夫や同僚とうまくいかないなど、感情に翻弄され生きるのが辛く苦しいと感じている皆さん! 必見ですよ!! 

Q ズバリ、インナーチャイルド(以下インチャ)とはなんですか?

A ズバリ、インチャの正体は、「抑圧された感情」のことです。過去に感情を抑圧したことがあるから、それが未解決なものとして残り、同じような状況でその感情が出てくるのです。
たとえば、子どもが言うことを聞かないと叩いて黙らせようとしますよね。わがままな子どもに腹を立てているのは今の自分だと思うかもしれませんが、本当に怒っているのは、怒りを抑圧した昔の自分、たとえば、わがままな弟に腹が立っていたけれど怒ることができなかった子どものころの自分だったりするのです。
だから感情が生じたとき、過去に同じような状況で感情を抑圧したことはなかったか考えてみるのです。抑圧した感情(=インチャ)は自然消滅することはなく、後に感情的に振り回される原因となります。でもそれは未解決な問題がありますよと教えてくれているだけなのです。

Q そもそも感情はどうして生じるのですか?

A 「わがままを言ってはならない」など「こうあるべき」という価値観にとらわれることで感情が生じます。その価値観を緩めることができたら出来事に振り回されることも感情が生じることもなく平安でいられるのです。

しかし価値観を緩める前にインチャを見つけ癒してあげる必要があります。感情は、インチャの「私はここにいる! 」「私を見つけて! 」という叫びなのだということ。だから感情が生じたとき、自分に問いかけてほしいのです。自分はなぜ腹が立つのか、自分はなぜ悲しんでいるのか? を。そうして過去の感情を抑圧したインチャを見つけたならば、その子の気持ちに寄り添い共感して言葉をかけてやってほしいのです。
「あのときは本当に怒りたかったよね。よく我慢して偉かったね。でも今は我慢しなくていいから、弟に言いたいことを言ってごらん。叩きたかったら叩いていいよ」と言ってあげます。
イメージの中で抑圧した怒りを表現させてあげることが大事なのです。
十分怒りを表現させた後に、「でもどうしてそんなに弟に腹が立つの?」と聞きます。そうすると「だって弟はいつもわがまま言っているのに、私はおねえちゃんだからと我慢ばかりさせられて……甘えたくてもお母さんにはわがままはよくないと
いつも叱られていたから」と言うかもしれません。そうした
ら「本当はどうしてほしかったの? 自分はどうしたかったの?」と問いかけます。「私もわがまま言いたかった。もっと私にも目をかけてほしかった」と言うかもしれません。それがその子の本心でその思いや悲しみを十分表現しなかったから怒りになってしまったのです。悲しんでいるその子に寄り添って、「弟のように目をかけてほしかったね。それが叶わず悲しかったね」と言ってあげるのです。そして今の自分がインチャのお母さん
となって、否定され傷ついた悲しみのインチャを愛してあげるのです。

Q インチャの大元はなんでしょうか?

A インチャの大元はほとんどが親の価値観で否定されることで形成されます。自分は愛される価値がないと思って悲しんでいる自分です。その悲しみを見ないようにすることで、やがて怒りや罪悪感、恨みなどの感情になってしまうのです。怒っている人も罪悪感をもっている人も恨んでいる人も、その奥には愛を求めて泣いているインチャがいるのです。
結局、わがままな人というのは、わがままな弟の投影であり、わがままな弟はわがままな自分の投影であり、弟を責めるようにわがままな自分を責めていたのです。親にわがままな自分を否定され悲しみ、わがままな自分を自分で否定してしまったのです。しかしわがままを言いたい自分、親に否定され悲しんでいる自分はいるのです。その悲しみに寄り添い共感し、十分に悲しみを表現させてやり、正直な気持ちを聞き、受け入れてあげるのです。どの子も親に愛してほしくてたまらないのにそれが叶わず悲しいのです。最初からわがままを言いたい子どもなんてどこにもいません。それはわがままではなく正直な思いなのです。その部分を聞いてあげるのです。

Q 「どんな感情もありがたい! 」の真意を教えてください。

A 咳・下痢・熱・発疹などの身体症状は、病原体に感染していることを教えてくれるものであり、異物が体の中に侵入してこないように防ぐ役目と体の外に排出する役目をもつありがたいものです。全く同じように感情は価値観に感染していることを教えてくれるものであり、価値観が心の中に侵入してこないように防ぐ役目と心の外に排出する役目をもつありがたいものなのです。体の症状を抑圧することで体の病気になってしまうように、心の症状(=感情)を抑圧することで心の病気になってしまいます。どんな感情もありがたいものであり、抑圧するのではなく感情の生じる原因を自分に問いかけ、どこまでも自分の正直な思いに寄り添い、常識や価値観で判断せず、受け止めていくことが大事なのです。
そうすると複雑に見えることでも最終的には、「駄目でもそのままの自分を愛してほしかった」という願いに行き着くのです。だから今のあなたがその願いを聞き入れ、無条件の愛を与えてあげることでインチャを癒すことができるのです。もし自分でできなければインナーチャイルドセラピストやホメオパスに相談してください。なお、ホメオパシーのレメディーは抑圧した感情を浮上させ、感情を解放する働きがあります。ホメオパシーはインチャ癒しにおいて強力なツールとなります。
こうしてインチャを癒すことで自分を責めることが減り、人も責めることが減り、心が落ち着き自分らしく生きられるようになります。幸せのカギはインチャ癒しにあるのです。