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概要

ホメオパシー的災害対策

13とがわかった。子どものころ、母親からいらん子扱いされるといつも、林の中に入り自然に慰めてもらったことを思い出した。そのときに感じた「力強く生きるんだよ」という自然からのメッセージ。「そうだ、私に足りなかったのは、当たり前にある自然に対する畏敬の念、感謝の念という信仰心だったのだ」と思えたのである。魂の故郷を思い出したことで私自身の尊厳を取り戻すことができた。それ以来、傷つき、怒っているインチャ、隠れて泣き悲しんでいるインチャ、自己卑下をして死んでしまいたいと言っているインチャ、それら一つ一つのインチャに声をかけるようにし、20年以上が経った。今世でどれだけ自分のインチャを癒やせるか。残りの人生をかけて取り組みたい。そして、ありのままの自分を愛してあげたいと心から思うようになった。人から愛をもらわなくても、誰もがもっている自分の中にある愛の扉を開けばいいのである。福島県民よ、被害者になることなかれ災害に遭った人々は苦しんでいる。なぜ自分は災害に遭ったのだろう。なぜ私の家族は死ななければならなかったのだろう。自分が母を海辺の老人ホームに入れたために、母は津波で死んでしまった。自分の選択は間違っていたのではないか。子どもたちが毎日放射性物質にさらされているが農業を営んでいるから福島を去れない。避難したくてもできない自分たちに向かって「子どもを大事に思っていないんですか? お母さん!」と責められ、どうしてよいかわからない。少しの揺れでまた地震が起こるのではないかとパニックになってしまう……。今ここに幸せでない人はどこにも幸せはないのだから、今の状態を幸せと思える心を養うこと。不便さをエンジョイできる心を養うこと。これもない、あれもないと嘆くのではなく、与えられたものを感謝の心で受け取っていくこと。何もない状況に比べたら、たとえ少量でもあることに幸せを感じられるはず。幸せというものは案外、不便さ、苦しさの中で見つかるものなのかもしれない。