晩年のハーネマン

晩年のハーネマン | ホメオパシー出版 page 27/36

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晩年のハーネマン リマ・ハンドリー著 澤元亙訳 由井寅子監修 ホメオパシー出版

25In Search of the Later Hahnemannの『マテリア・メディカ』を翻訳していた。このとき彼は、ホメオパシー的な作用と最終的に呼んだ薬の働き方についてはじめて明確に観察した。一八世紀には不思議な薬であったキナ皮(チャイナもしくはキニーネ)の作用についてカレンが書いている記述を翻訳した後に、ハーネマンは、その薬を自分に試した。そして、この薬が患者に生み出す「副作用」はマラリアの主症状に類似していることを発見した。この薬はマラリアに対して唯一知られた治療薬だった。結果的に彼は、なぜその薬に治癒作用があるのかと言えば、カレンが示しているように胃に対して働く強壮作用があるからではなく、薬によって生み出された症状と病気によって生み出された症状との間に類似性があるからではないかと考えた。このように単純な問いから医学思想の革命が始まった。はじめてこのように考えた後にハーネマンは、チャイナで実験した。そのやり方はのちに、ホメオパシー薬を検証する標準的な方法となった。プルービング(ドイツ語のpプ リューフンクrufung = eエクスペリメントxperiment)と呼ばれるものだ。慎重に、ある一定の期間、未希釈で物質を服用し、その間、自分にどんな反応が生じたかを観察した(4)。調節しながらチャイナの服用量を増やしていくと、この薬によって生み出された症状はマラリアの症状によく似ていた。このことに満足すると、彼は、ベラドーナ、カンファー、アコナイトなど、当時のほかの薬についても試した。こうした実験の結果、新しい医学の原則、つまり類似薬による治療原則について真剣に考え始めた。