晩年のハーネマン

晩年のハーネマン | ホメオパシー出版 page 8/36

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晩年のハーネマン リマ・ハンドリー著 澤元亙訳 由井寅子監修 ホメオパシー出版

日本語版監修者まえがき6でしたが、回帰を唱導した人たちが歴史学または文献学の素人であったために、ハーネマンをとらえそこなう結果に終わってしまいました(『医術のオルガノン』まえがき参照)。 二〇世紀のホメオパシーはクラシカルホメオパシーであったと言っても過言ではありません。「クラシカル」という名前からして容易に推測できますが、この人たちは、自分のホメオパシーをさかのぼればすべてがハーネマンに行き着くと思っていました。近年ではこうした認識を取る人は減ってきています。また、クラシカルホメオパシーのスクールなどで当たり前に教えられてきたことに対して疑念を抱く人も出てきました。それでもやはり、植えつけられた偏見は根強く、しかもハーネマンの神格化の影響もあって、歴史的な関心を喚起するまでには至りませんでした。 今では、『オルガノン』は初版から第六版まですべてのテキストが読めます。『慢性病』第一巻についても初版と第二版の両方が読めます。まだ完結はしていませんが、診ケ ースブック療日誌の大部分を読むこともできます。書簡の公開も始まっています。必要とあれば、ロベルトボッシュ研究所で、まだ未公刊の資料を検分することも可能です。こうした非常に恵まれた環境にあるにもかかわらず、歴史的な関心を持つ人は一部の人にとどまっています。その一人に『ドイツ素人医師団』を書かれた服部伸先生がいます。私がロベルトボッシュ研究所を訪れていたとき、館長から直接服部先生を紹介され挨拶しました。『ドイツ素人医師団』はハーネマン後のドイツホメオパシーの発展がよくわかる貴重な本であっただけに、さまざまな軋轢があったとはいえ、絶版になってしまっていることが残念でなりません。 さて、なぜ歴史的な関心を持つ人が少ないのでしょう。歴史的に理解するということ自体、非常に難しいことです。ハーネマンを理解するには、できるだけ多くの資料に当たって事実を発掘することも重要ですが、それ