ホメオパシーとは? 
1.ホメオパシーとは
2.気付きと自然治癒 3.希釈と振盪
4.ケース紹介
5.英国と世界
6.日本の現状
7.バイタルフォース
■波動の世界 1999年11月 ホメオパシーの理論と実践
ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー学長 由井寅子

T ホメオパシ−とは?
ホメオパシーとは、「健康な人に投与してある症状を起こさせるもの(毒)は、その症状を取り去るもの(薬) になる」という「同種の法則」を根本原理とする自然療法である。この同種の概念は、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスや錬金術師パラケルススにも見られる。しかしローマ時代以降1500年以上にも及ぶ科学の暗黒時代の中で、同種の方法はユダヤやアラビア医学の中に伏流し、表舞台に登場することはなかった。今から約200年前にドイツの医師サミュエル・ハーネマンは、マラリアに効くというキナの皮を実際に煎じて飲んでみたところ、一時的に発熱し、悪寒、痛み、脱水症状、脱力感などマラリアと同じ様な症状になることから「同種の法則」を再発見し、体系的に構築した。そしてその新しい手法をギリシャの大ヒポクラテスにちなみ、ギリシャ語から造語してホメオパシーと命名、それがHomoeopathy(Homoios=同種、Patheia=病気・苦痛)命名の由来である。 ハーネマンはこれに「超微量の法則」を加え、人体に有害な毒物でも天文学的に希釈し叩くことで毒性が失われるとともに、深く作用する働きを発見し、穏やかにそして根本的に治癒する同種療法を確立した。 しかしその希釈の程度は尋常ではなく、アボガドロ数の限界希釈<10の24乗倍希釈>を遙かに越え、分子の全く認められない無限希釈水に於いて尚、ポ−テンシ−と呼ばれる効果的希釈倍率が序列化されている。 通常使用するものでも10の60乗倍希釈で原物質は何も入っていない。最大では10の200万乗倍希釈と想像を絶するものである。 このようにホメオパシ−には神秘的な側面があるが、豊富な治癒実績を持つことは否定しようのない事実である。 ホメオパシ−では、バイタルフォースという生命エネルギ−の流れが、生物に生命を与え、その本来の生命の生きる道筋であると考え、病気の根源はこのバイタルフォースの滞りにあると考えている。 ポーテンシーを高めていくのは、目に見える症状の奥にある病因、即ちバイタルフォースの滞りは、ポテンシャル(潜在力)が高く、そこに働きかける為にはレメディーもポテンシャルが高くなければならないからである。経験的にポーテンシーを高めれば高める程、レメディーが物質的パターンから非物質的パターンへと移行することが知られている。物質的な薬は、残念ながらポテンシャルが低く、物質的に症状に作用させるだけである。勿論、ケースによってはそのようなものも必要だろう。しかし魂から肉体までを貫くバイタルフォースの流れの中で、どのレベルに原因があるのかを見極め、周波数(ポーテンシー)とパターン(レメディーの種類)を合わせなければ本当の同種療法とはならない。 その為に相談者の症状や心の在り方も含めた全体像とレメディー像が最大限に照合するようにレメディーとポーテンシーを選択するのであり、それがホメオパスの腕ということになる。