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面白本と美術館・博物館
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◇本を読んで賢くなる◇

このコーナーは、みなさんに「こんな本を読んだらどうか?」というおせっかいな記事を掲載します。ジャンルには特にこだわらず、新刊・既刊にもこだわらず、本屋さんに行けば手に入る本、図書館で借りることができる本を取り上げます。

●副作用―その薬が危ない
 大和田 潔著(祥伝社刊・祥伝社新書) 新刊 税込定価 798円


持病をお持ちの方などは、かなり長期間にわたって同じ薬剤を服用するはずです。たとえば高血圧の人なら「降圧剤」を長く服用するでしょうし、慢性頭痛がある人や糖尿病の人でも、やはり同じ薬を服用することが多いでしょう。
ある薬剤を使い始める場合、担当の医師はまず、ねらった効果が出るかどうか、副作用がどの程度あるかといったことを注意深く観察するはずです。
そのとき、まずまず効果があって副作用も見られなければ、その薬をしばらく処方しつづけるでしょう。もし、顕著な副作用があれば、別の薬を試してみるはずです。
このように、当然のことながら医師は「副作用」を考えながら処方箋を出します(逆にいうと、薬剤は通常は副作用がある)。しかし気を付けたいのは、最初はあまり副作用が見られず、医師も患者も安心して長期間使っているケースや、医師の処方箋がなくても入手できる一般薬(OTC:オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ)を使い続けているケースです。
ややもすると、誰でも「ずっと使っている薬だから安心」と考えて、副作用がありうるということを失念してしまっていることが多いのです。こういう場合には、何か副作用としての症状が出ていても、別の病気の症状と勘違いして、また新たな薬を服用するということにもなりかねません。
もともと薬剤の多くは有用なものであり、特に緊急の場合には命を助けてくれるものです。しかし、どんなものにもマイナス面はあります。
著者も本書「まえがき」で次のように書いています……『(前略)たとえば、血圧を下げる薬をたくさん飲めば血圧が下がり過ぎるでしょうし、睡眠薬が効き過ぎれば昏睡になるでしょう。これとは別に、薬剤の性質からは推測しにくい副作用もあります。問題なのは、そのような副作用なのです。……』
何らかの病気を持つ人なら、どのような治療を受けるべきかを考えるのは当人の自己責任でしょう。医師の意見を聞き、専門書やインターネットで情報を集め、ある薬剤を使うとしたら「どんな副作用がありうるか」を知ることも自分ですべきことです。そのような意味で、本書が一つの手がかりになることは間違いないでしょう。

<本書の内容構成(一部)>
・抗うつ薬で起立性低血圧になる
・睡眠薬で記憶障害になる
・咳止め薬で便秘になる
・糖尿病の薬で呆け症状がでる
・ステロイド薬で関節炎になる
・抗生物質で逆に体がバイ菌の巣になる
・不整脈の薬で喘息になる
・抗生物質で痙攣が起きる
・水虫の内服薬で肝臓病になる
・抗真菌薬で赤ちゃんに影響が出る

★本書は在庫ありです。書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●明るく乗りきる男と女の更年期
 赤塚祝子著(講談社刊・現代新書) 既刊 税込定価 735円


この本の著者は現役の医師ですが、特に更年期障害に関する専門医ではありません。本書の「はじめに」に書かれているように、著者自身がある日「更年期障害でしょう」と他の医師から診断されてしまい、さまざまな自覚症状を考え合わせて「自分はやはり…更年期障害だったのだ!」と納得した、患者の一人です。
ですから本書は、医師の書いたいわゆる「ハウツウ本」とは若干異なります。それは、自分自身が現役医師でありながら、一患者としての体験をふまえて、専門外のテーマについて書いていることからくるのでしょう。
考えてみると、昔から『更年期障害』という言葉は「異常」といえるほどよく知られています。
中年の女性が少し苛立っている感じだと、まわりの男たちが「あれは更年期障害だ」などと決めつける……、要するに中年女性はみな経験する病気、男には関係ないという思い込みが世間にありました。しかし最近になって、男にも『更年期障害』があるのではないかという意見が強くなってきました。ただし、すべての医師がそのように考えているわけでもありません。それは、更年期障害をもたらすものがエストロゲン(女性ホルモン)分泌量の劇的な低下であると考えられることと関係しているのでしょう。
(注)男性でも女性ホルモンの分泌はあるわけですが、女性が閉経後に女性ホルモンの分泌がまったく止まってしまうのと違い、男性ではずっと女性ホルモンの分泌が続くと見られています。
男性の場合には、女性ホルモンがピタリと止まることも、男性ホルモンの分泌が劇的に減少することもありませんが、ゆっくりと男性ホルモンの分泌量は低下していきます。
本書のなかでも“男性更年期障害の診断と治療”として、独立した章(第5章)が設けられていますので、男性の方にも参考になると思います。
とにかく、どこにも悪いところはない(検査値には大きな異常はない)けれど、何もやる気がしない、肩がこる、動悸がする、顔がほてる、そういう状態がみえたら、更年期障害を疑う必要があります。
年齢的にも、40代から50代にかけて(最近では、日本女性の閉経年齢が早まっているという調査結果もあるようです)の広い層で起こりうる病気です。また、がまんしても良くなることのない病気です。
本書でも、女性ホルモン補充療法、抗うつ薬やバイアグラの利用例など、いろいろ紹介されています。ホルモン補充療法に関しては、最近になって海外で否定的な見解も出てきていますが、このホルモン補充療法や漢方薬を含む薬剤をどのように利用するか(または利用しないか)、それは患者本人が医師と相談した上で決めることでしょう。
しかし、更年期障害が単なるイライラではないことを知る必要はあります。単純に「おばさんやおじさんの病気」だというような偏見は、社会全体でなくしていかなければならないでしょう。

<本書の目次構成>
第1章 ある日、突然訪れる「むなしさ」
第2章 「更年期」とは何か
第3章 女性更年期障害の診断
第4章 女性更年期障害の治療
第5章 男性更年期障害の診断と治療
第6章 「更年期」をどう迎え、どう過ごすか

★本書は在庫ありです。書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●コーリャ 愛のプラハ
 ズデニェック・スヴェラーク著/千野栄一訳(集英社刊) 既刊 税込定価 1,575円


タイトルにある「コーリャ」とは、ロシアの男の子によくある名前「ニコライ」の愛称です。そして、この小説の舞台となるのは、今やヨーロッパ観光で最も人気のある都市、チェコのプラハです。
時代設定としては、ベルリンの壁が崩れて、東欧が資本主義革命に飛び込んでいく前後です。 あのサッチャー英首相やゴルバチョフソ連共産党書記長が活躍した時代、当時はチェコスロバキアであった国で、プラハの街で生きていたちょっとワルな中年男に起こった大事件…ロシア人の男の子の面倒を見させられる…にまつわる、ユーモアたっぷりの物語です。
著者のズデニェック・スヴェラークは、驚いたことにチェコの脚本家・俳優・劇作家で、本書でもいかにも映像世界で生きてきた作者らしい表現が多く見られます。
さらにまた、本書が原作となった映画『コーリャ 愛のプラハ』では、脚本を担当すると同時に主演をこなして(日本のテレビではすでにオンエアされ、DVDも発売されている)、その映画が1996年に「東京国際映画祭東京グランプリ・最優秀脚本賞」を受賞し、1997年には「ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞」と「アカデミー賞最優秀外国語映画賞」を受賞したのですから、たいへんな世界的評価を得たのです。
ところで本書の面白さは、やはり劇作家の書いた小説らしく、登場人物のセリフにあります。中年も後半に差しかかった主人公のチェロ奏者・ロウカ(もとは一流の交響楽団員、ずっと独身)と彼の周囲の人たちの会話、チェコにいるロシア人たちのセリフ、母親に置き去りにされたロシアの男の子コーリャの言葉…ここには、かつてのチェコスロバキアではロシア語教育が行われていたため、チェコ人の多くがロシア語を理解できるという背景があります。 さらにまた、歴史の怨念を超えて、チェコ人もロシア人も同じスラブ系民族であるという意識も、セリフのなかには見受けられます。 そうはいっても、チェコ(スロバキア)も含めて、ヨーロッパの小国に生きる人たちのこころのなかは、私たち日本人にはうかがい知れない部分があるはずです。
近隣の強国の動き一つで、自分たちの国のあり方(場合によっては国家の存続まで)が左右されるという屈辱の歴史が数百年も続いていたりするのですから…。ハプスブルグ家の支配、オスマン帝国の攻撃、ドイツ第三帝国の支配、ソビエト・ロシアの支配……、特に東ヨーロッパや中央ヨーロッパの小国は、欧州の覇権を目指す大帝国のくびきに苦しむことが多かったのです。
そういう小さな国の人たちはいつも苦労しているためか、ある意味で大人であり、当然のこととして悪賢さも兼ね備えているでしょう。しかし同時に繊細でもあり、芸術を深く理解する人たちかもしれません。
大人気の観光地・プラハですが、チャコの人たちのこころを少しでも理解した上で訪問したいものです。

★本書は在庫ありです。書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●ホメオパシーとミネラル
 ジャン・ショートン著/由井寅子訳(ホメオパシー出版刊)
 新刊 税込定価 3,150円


本書は、2005年4月に来日して講演を行ったオランダのホメオパス=ジャン・ショートン氏による日本語での最新の著作であり、1993年に出版されて10か国語に翻訳された「ホメオパシーとミネラル」の日本語訳です。
本書はまた、ホメオパシーの歴史において画期的な発見といわれる「元素周期表」レメディーについての、入門書的な位置を占める力作です。
まさに著者が自ら携わった過去の膨大な実証と臨床データ、さらに経験の蓄積から帰納的に洞察された本書の内容は、ホメオパシーに多くの可能性を提供するものと思われます。

【SSC(オランダのホメオパシージャーナル)でのFrans Kusseによる書評】
「1992年11月に初めてジャン・ショートンのアイデアに出会ったとき、提供された途方もない可能性に私は驚愕した」 数ヶ月たった今、これらの‘新しい’レメディーを試してみて、ホメオパシーの考え方における抜本的な改革であると私は言うことができる。ジャンのメソッドは本当とは思えないほど見事なまでに本書に示されている。しかし、本当なのだ! 彼のメソッ ドを手短かに説明することは難しいが、1992年2月にあった彼の学会での例をあげてやってみようと思う。
30歳の女性が、日光へのアレルギー、右側の前頭部の痛み、右側の坐骨神経痛、腸の問題、月経前の胸部の腫れと痛みと疲労、といったさまざまな不調を訴えてやって来た。
精神:賛辞、注目を必要としている。「夫が私の仕事について何も言わず、それについて私は注目をして欲しいとは言えずにいらいらしていました。母親にはかまってもらえずに、私はひとりでなんとかやっていかなくてはなりませんでした。私は‘大きな少女’だったのです」 この‘注目’のテーマは muriaticum に、そして‘臆病さ’と‘不安感’は calcium に見てとれる。このレメディーは Calcium-murtiaticum(‘注目を欲する、しかし思い切ってそれを言うことができない)である。彼女はこのレメディーで治癒をした。
異なるミネラル(calcium, natrium, phosphor, sulphur, barium 等)と金属を分析することで、ジャンはすべての元素の本質的な概要を発展させていった。実践でこれらの概要をたくさん組み合わせることが可能なので、患者に適合したレメディーを見つけることができる。
周期表にあるすべての元素の本質的な概要を理解したならば、それがどんな意味を持つか想像してみて欲しい。おそらくそれは、ある分野(ミネラル、植物、動物)においてすべてのレメディーを見つけることができる、とケントが言ったときの彼の気持ちである……(以下、略)。

本書は、私たちにスタートするきっかけを与えてくれている。実践をしている私たちホメオパスは、情報を実証し拡大する任務がある。それは無限で素晴らしい挑戦である。

★本書は在庫ありです。BOOKSコーナーの「ホメオパシー出版の書籍取り扱い書店」でお求めになるか、web書店でご購入ください。
●ホメオパシー出版  http://homoeopathy-books.co.jp/


■ホメオパシー出版の<売れ筋>ご案内■
2005年3月〜2005年6月期:出荷ベースのベスト10


1位「ホメオパシー in Japan <第3版> 基本36レメディー」
2位「ホメオパシー講演録T 由井寅子のホメオパシー入門」
3位「由井寅子のホメオパシーガイドブックB キッズ・トラウマ <改訂第3版>」
4位「ベイリー・フラワーエッセンス・ハンドブック」
5位「子供にもわかるホメオパシー」
6位「由井寅子のホメオパシーガイドブックD バイタル・エレメント <第2版>」
7位「心と体を癒すホメオパシー <ロンドンからレメディーをひとビン-を含む復刻合本>」
8位「実用ホメオパシー <医師のホメオパスによる自己治療のための安全なガイド>」
9位「ホメオパシーとミネラル」
10位「由井寅子のホメオパシーガイドブックAバース(出産)」


◆Web書店での「治療学・ホメオパシー」関連本の売上順位[7/5日時点](表示価格は税込価格)

【セブンアンドワイ】ジャンル:臨床医学一般>治療学一般[全502点]
1位「心と体を癒すホメオパシー <ロンドンからレメディーをひとビン-を含む復刻合本>」(ホメオパシー出版刊)1,365円
2位「臨床医のためのステロイド薬 効果的な選び方・使い方」(総合医学社刊)4,095円
3位「当直医実戦マニュアル <改訂第4版>」(南江堂刊)
4位「今月の治療 第13巻 第6・7号-高脂血症-」(総合医学社刊)4,830円
5位「今日の移植 Vol.18 No.3/特集 心臓移植の現況」(日本医学館刊)2,000円
6位「ホメオパシーとミネラル」(ホメオパシー出版刊)3,150円
7位「今月の治療 第13巻 第5号-頭痛-」(総合医学社刊)2,415円
8位「今月の治療 第13巻 第4号-症例とQ&Aで学ぶ下痢・便秘への対応-」(総合医学社刊)2,415円
9位「今日の移植 Vol.18 No.2 3月刊/特集ウイルス肝炎と肝移植」(日本医学館刊)2,000円
10位「ホメオパシー講演録T 由井寅子のホメオパシー入門」(ホメオパシー出版刊)1,050円

【楽天ブックス】ジャンル>ホメオパシー
1位「ホメオパシー in Japan <第3版> 基本36レメディー」(ホメオパシー出版刊)1,575円
2位「ホメオパシー -セルフケアBOOK-」(新星出版社刊)1,575円
3位「由井寅子のホメオパシーガイドブックB キッズ・トラウマ <改訂第3版>」(ホメオパシー出版刊)1,680円
4位「ホメオパシー入門 -オールカラービジュアルガイド-」(産調出版刊)1,995円
5位「由井寅子のホメオパシーガイドブックD バイタル・エレメント <第2版>」(ホメオパシー出版刊)1,575円
6位「レメディーノートU」(ホメオパシー出版刊)3,150円
7位「homoeopathyレメディーカード -自分の健康を自分で守るために-」(ホメオパシー出版刊)1,260円
8位「ホメオパシーハンドブック」(メディックメディア刊)998円
9位「ベイリー・フラワーエッセンス ハンドブック」(ホメオパシー出版刊)1,260円
10位「スピリット・オブ・ホメオパシック・レメディー <改訂版> 愛の第三次元から洞察されたホメオパシーレメディーの本質」(ホメオパシー出版刊)3,780円


◇美と歴史にふれる◇

●ドレスデン国立美術館展-世界の鏡 平成17年月9月19日(月:祝日)まで 
国立西洋美術館(東京・上野)にて開催
住所:東京都台東区上野公園7-7
アクセス:JR上野駅下車、公園口出口から徒歩1分 
     京成電鉄上野駅下車、徒歩7分
     東京メトロ銀座線・日比谷線/上野駅下車 徒歩8分
開館時間:午前9時30分〜午後5時30分(金曜日は午後8時まで)
入館は閉館30分前まで
休館日:毎週月曜日 ※7月18日、8月15日、9月19日は開館、7月19日(火)は休館

本年から来年(2006年)にかけて、国内各地で『日本におけるドイツ年 2005/2006』の日独交流イベントが行われます。本展覧会もその主要なプロジェクトの1つとして開催されています。
さてドレスデンは、東西統一前は東ドイツに属した都市であり、また第2次世界大戦の末期には、米英両国の爆撃機による無差別空襲を受けて壊滅した都市としても有名です。
しかしこの都市は、困難な分断の記憶や、あるいは悲しい戦火の歴史だけを背負っているわけではありません。実はドレスデンは、17世紀から18世紀にかけては、ザクセン公国の首都として最盛期を迎え、南欧や西欧などのヨーロッパ世界と、東方世界(トルコ、中国、日本など)をつなぐ、華やかな文化交流の場として大きな役割を果たした都市でした。
たしかにドレスデンは、地理的に見ても、ヨーロッパの東西、また南北のほぼ中央付近に位置して、さまざまな人や文化が行き来した場所であると想像できます。特に、オスマン朝=トルコが全盛を誇り、そのオスマン軍がウィーンを長期間包囲して、ザクセン地方のかなり近くまでイスラムの軍隊が押し寄せる状況が続きました。そういう歴史があるだけに、イスラム文化や東方文化の窓口として、ドレスデンは異国の芸術文化をのみ込む『エルベのフィレンツェ』とまでいわれる、成熟した都市になったのです。

<ドレスデン国立美術館とは?>
ドレスデン国立美術館は12部門からなり、規模・内容ともに世界有数の美術館の複合体です。あまりにも有名なツヴィンガー宮殿(バロック建築の傑作といわれます)のなかにあるのはアルテ・マイスター絵画館で、15〜18世紀の巨匠絵画が収められています。
また、自然科学の諸機器による数学物理学サロン、東アジアや有名なマイセン産の磁器の収集室、ドイツ・ロマン派をはじめとした19〜20世紀の絵画が集められたノイエ・マイスター絵画館、その他に宝飾品が収められた緑の丸天井宝物館なども有名。なお本展では、各部門から選りすぐりの約200点が紹介されています。

参考サイト 国立西洋美術館 http://www.nmwa.go.jp/index-j.html
参考サイト 展覧会 http://www.dresden-ex.jp/


●アルタイの至宝展 -秘境シベリアから草原のシルクロードへ-
 平成17年6月3日〜7月18日(月:祝日) 仙台市博物館にて開催


住所:仙台市青葉区川内26番地<仙台城三の丸跡>
アクセス:仙台駅からバス  <仙台市営バスを利用する場合>
仙台駅西口バスプール9番乗場 青葉通経由動物公園循環・青葉台・宮教大・成田山行で「博物館・国際センター前」下車
※車の場合:仙台宮城インターより約10分(駐車場:普通車50台、バス5台、駐車可能です)
開館時間:午前9時〜午後4時45分(入館は午後4時15分まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館します)
※7/19(火)は休館 本特別展では、ロシア科学アカデミー所蔵の興味深い品々、とくに騎馬民族に関する珍しい出土物を見ることができます。また現在、愛知県で開催中の「愛・地球博」でも一番人気の『マンモス』ですが、ここ仙台では全身骨格が展示されます。
さて、日本列島ではまだ縄文時代から前期弥生時代に当たるころ、アルタイ地方(現在はロシア連邦を構成する自治共和国)では、騎馬遊牧民たちが元気に活動していました。
ちなみに、この「アルタイ」という地名は、もともと「黄金の山々」という意味だそうです。それくらい美しいところなのでしょう。
さて、現在の国家の位置関係で見ても、アルタイ地方はまさにすごい場所です。ロシア、中国、カザフスタン、モンゴルが国境を接する戦略的要衝にあります。
この地域では、はるかな昔にマンモスを狩する人たちがいたことが知られ、紀元前5世紀ごろには、草原地帯にいた騎馬遊牧の民が文化を興します。そして、東西の文明をつなぐ『シルクロード』成立へと、歴史は続くのです。
この中央アジアは、人類史上でも特筆すべき大きな勢力が攻防を繰り返し、高いレベルの文化が栄えました。にもかかわらず、多くの謎に包まれているのは、彼らが遊牧騎馬民族であったという特殊な事情にもよります。
しかし彼らの子孫たちは、今や東は中国の新疆ウイグル自治区から、西はヨーロッパ(東欧・北欧<フィンランド>・ロシアの諸民族には、アジアの血も多く混じっている)や中東(トルコ系民族は、もともと中央アジアにいた)に至る場所で、少しばかり顔の容、目の色を変えながらも生きているのです。

(注1)中央アジアとは、現在の国名・地域では、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、トルクメニスタン、そして中国・新疆ウイグル自治区に当たります。
(注2)近年のDNA分析による「日本人のルーツ探し」から、日本人の祖先と思われる大集団の一つが、シベリア経由で日本列島に入った遊牧民(!?)と考えられるようになりました。そのご先祖たちも、マンモス猟を行っていたのです。


<コラム/遊牧騎馬民族のすごさ!>

いわゆる「遊牧騎馬民族」の各集団は、紀元前の時代から、強大化したり弱体化したり目まぐるしく盛衰を繰り返しました。中国の歴代王朝はさんざん彼らに痛みつけられて(万里の長城は、対遊牧民族のためのもの。また明朝時代、皇帝が捕虜になったこともある=土木の変)、さらにモンゴル帝国にいたってはロシアを支配し、ヨーロッパ諸侯連合軍を現在のポーランド(リーグニッツ)で粉砕し、中東イスラム圏にも攻め入りました。中国本土・朝鮮半島をも支配し、日本本土(九州・博多)にも上陸したのです。 そう考えると、遊牧騎馬民族がいかに高い戦闘技術、武器製造技術、情報収集能力、組織をマネジメントする能力などをもっていたのか、それを想像せずにはいられません。


□仙台市博物館の特別展解説から□

最近はマンモスがブームですが、本展覧会でもシベリアのマンモス等の全身骨格を間近に見ることができます。また、日本では縄文時代から弥生時代の初めに当たる時期、アルタイ地方では騎馬遊牧民たちの活動が始まり、彼らは盛んに石積み古墳を築きました。古墳からはときおり、氷づけのミイラが発見されますが、今回、入れ墨し髪を編んだ保存状態のよいミイラが、日本初公開されます。このほか、シャーマン等の民族資料等を合わせ、約240件の貴重な資料を紹介します。この機会にぜひご覧下さい。

<主な展示資料>
マンモスの骨格(インディギルカ河畔、ヤクート共和国、約4万年前)
女性用シャツ(世界最古の絹製衣服、紀元前500年頃)
入れ墨を持つ男性ミイラ(初期鉄器時代、紀元前500年頃)
金製山羊像(頭飾り、初期鉄器時代、紀元前300〜100年)
海獣葡萄鏡(中国製、古トゥルク時代、600〜900年)
石 人(トゥルク人戦士)(石製、古トゥルク時代、600〜900年)
女性用婚礼服(布、テリュート族、アルタイ地方、19世紀末〜20世紀初)

※資料は、すべてロシア科学アカデミー所蔵。 (以上、仙台市博物館のHPから引用)
参考サイト 仙台市博物館 http://www.city.sendai.jp/kyouiku/museum/


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