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◇本を読んで賢くなる◇

このコーナーは、みなさんに「こんな本を読んだらどうか?」というおせっかいな記事を掲載します。ジャンルには特にこだわらず、新刊・既刊にもこだわらず、本屋さんに行けば手に入る本、図書館で借りることができる本を取り上げます。

●精神病棟の二十年

 松本昭夫著 新潮社刊・新潮文庫 既刊 税込定価 420円

本書は、1981年に書籍として刊行されたものの文庫版です。そして、かつて「精神分裂病」と呼ばれていた病気-統合失調症-を患ったご本人の手によるものです。
わが国の精神医学の歴史においては、近年までずっとこの病気の治療を中心に研究が行われていました。たしかに「精神分裂病」という旧称は、子どもでもみな知っているほど一般的になっていました。
しかし、この病気がどのような病気なのか? 患者達はどんな状態でいるのか? 誰もが、具体的なイメージはまったくもてないのが普通でした。そんな時代が長く続いた状況で本書が非常に画期的だったのは、著者自身がまさに元患者であったということです。
北海道で生まれた著者は、病気になる前に、決して異常な人生を送っていたわけではありません。受験勉強に明け暮れていた普通の21歳の青年が、ある日突然、落ち込んでいった世界・・・。その始まりは「幻覚」でした。

本書を読むと、こんな普通の感情(嫉妬心)が病気の「入り口」なのか・・・という単純な感想をもってしまいます(「入り口」という表現が良いかどうかわかりませんが)。
実は、ある日著者が見た「幻覚」とは、自分が思いを寄せていた女性が、彼の友人と逢瀬を重ねる場面だったのです。一方的に好意を寄せる相手が、ひょっとすると誰か他の相手と付き合っているのではないか、そんなことは若い男女なら(若くなくても)誰もが思い描いてしまう妄想でしょう。
ただし著者の場合は、それがリアルな幻覚にまで至ったのです。こうして、著者にとって長い長い「療養生活」が始まりました。それも、単に病院のベッドの上で寝ている生活ではありません。さまざまな「治療法」と称される「手段」が、患者達に用いられていきます(電気ショック、インシュリン療法など)。
また、入院する場面も穏やかではありません。強制的に、無理やり病院に連れて行かれるのです。こういった精神医療の世界の暗部に関しては、近年も「患者への暴力・虐待」のニュースで耳にしているわけですが、当人の書いたものとなると、やはり説得力が違います。
・・・古い映画ですが『カッコーの巣の上で』(名優:ジャック・ニコルソン主演)の作品がロボトミー(患者の「脳」の一部を無理にえぐり出す手術)を扱っていました。この手術は「凶暴性」をもつ患者への措置として、世界中で行われていたといいます。

【追加情報】
@巻末に、金子嗣郎医師(元都立松沢病院・院長)による「分裂病の治癒史」が収められています。精神病に詳しくない読者に助けとなる内容です。また、東京大学医学部精神医学教室助教授(平成13年の時点)の岩波明 氏が「解説」を担当されていて、治癒後の社会復帰を支援することの大切さなどを指摘されています。なお、岩波氏は『狂気という隣人 精神科医の現場報告』を2004に新潮社から刊行されています。
A本書の著者である松本昭夫氏も、続編とも言える『精神病棟に生きて』を新潮文庫で出されています(定価:380円)。

★本書は在庫ありです。書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●スターリングラード <運命の攻囲戦1942−1943>

 アントニー・ビーヴァー 著/堀たほ子 訳(朝日新聞社刊) 既刊 税込定価 3,150円  <朝日文庫> 新刊 税込定価 1,050円

今年は第二次世界大戦終結から60周年ということで、それに関連したテレビ番組も多くありました。しかし、そのほとんどが日本の戦争(中国大陸・東南アジア・太平洋地域での日本対連合国:米・英・中・蘭・豪州・旧ソ連等)を扱ったもので、主戦場であったヨーロッパ戦線に関するものは少なかったようです。
主なところでは、アウシュビッツ強制収容所を扱ったNHKのシリーズもの(制作は外国のテレビ局)くらいではないでしょうか?
ただし近年、第二次世界大戦を扱った戦争映画は増えているようで、そのなかでは、ヨーロッパ戦線を描いた『スターリングラード(邦題)』や『プライベート・ライアン』があり、サイパン島での日米の闘いを描いた『ウインドトーカーズ』が印象的でした。

さて、世界史の教科書に必ず載っている「スターリングラード」という都市名、少し前にテレビでも放映された上記の『スターリングラード(邦題)』(原タイトル:Enemy at the Gates)という映画で思い出した方も多いでしょう。
あのJude Lawが主演してソ連軍のスナイパー役(ザイツェフ)を演じ、彼を倒すために送り込まれたドイツ軍将校のスナイパー(エド・ハリス:名演技でした)と熾烈な闘いを演じました。

ところで、この映画『スターリングラード』のテーマは何だったのでしょうか? 
それを考えるために、いくつかのキーポイントを挙げてみましょう。 

1.ヒトラーとスターリンという二人の恐怖の独裁者に、当時のヨーロッパの運命が握られていた歴史的事実
2.ヨーロッパ最大の陸軍をもつ独ソ両国の激突が、1943年の史上最大の戦車戦(クルスク戦)であったけれども、スターリングラードでは、その前年秋から家一軒を奪い合う「塹壕戦」が戦われた
3.独裁者「スターリン」の名を冠する都市の攻防をめぐり、ヒトラーもスターリンも、ともに自国軍に降伏は認めなかった(旧日本軍も同様でしたが)→結果的にドイツ軍(およびルーマニア軍・イタリア軍)残存部隊は降伏した
4.映画のなかでは、主人公ヴァシリ・ザイツェフの恋人となる女性も、ヴァシリを盛り立て彼を利用するソ連軍政治将校も、二人ともユダヤ系ソ連人であって、ナチズムとユダヤ人の闘いという、ヨーロッパ戦線の一側面が強調された

実際には第二次世界大戦は、歴史の教科書に書かれているような「ファシズム対民主主義」といった単純なものではありませんでした。英米「先進帝国主義」と日独「後進帝国主義」の戦争とか、ユダヤ勢力と反ユダヤ勢力の戦争とか、さまざまな見方があるのです。
しかし、そういった次元の知識は、本書を読むためには必要ではありません。ただ、戦争を知らない一個人として読めば、戦争のおぞましさ、国家利益を代表する指導部と、その命令に従うだけの末端の兵士、スラブ族対ゲルマン族という民族感情、建前としてのナチズムや共産主義のイデオロギー、・・・などが複雑に入り組んだ「東ヨーロッパの戦いの凄まじさ」を感じることでしょう。
まさに第二次世界大戦の転換点となった「スターリングラード攻防戦」とは、何だったのか? 双方合わせて100万人もの戦死者を出したのはなぜなのか?

著者は英国の元職業軍人ですが、ドイツ・ロシアのどちらにも偏らない中立的な書き方になっています(実際には、ナチズム打倒に大した貢献をしていない英国人として、第三者的にならざるを得なかったのか?)。
また本書は、膨大な新しい資料、個人の手記、当時の証言などを取り入れ、臨場感の溢れるタッチで描かれていて、世界19か国で翻訳されたノンフィクションのベストセラーです。
このたび文庫化されて、お求め安くなりました。ご一読を。

《本書の構成》

第1部「世界は息を凝らすだろう」(バルバロッサは諸刃の剣 「ドイツ軍兵士に不可能はない!」ほか)
第2部 再開されたバルバロッサ作戦(パウルス将軍初の戦闘 「人はどれほどの土地を必要とするか」ほか)
第3部「宿命の都市」(「時は血なり」―九月の戦闘 鼠たちの戦争 ほか)
第4部 ジューコフが仕掛けた罠(ウラノス作戦 ヒトラーの執念 ほか)
第5部 屈服した第六軍(空輸作戦 「降服は論外」 ほか)

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●ホメオパシー講演録A 由井寅子の予防接種と医原病入門 

由井寅子 著(ホメオパシー出版) 新刊 税込定価 1,365円  

2005年4月に刊行された『ホメオパシー講演録@ 由井寅子のホメオパシー入門』に続く「講演録シリーズ」の第二弾。
日本初のホメオパシー博士(Ph.D.Hom)である由井寅子氏が、ホメオパシー医学の理論と数多くの臨床経験を駆使して、予防接種の意味を鋭く問います。
そして、予防接種というものの意味を問い、理解するなかで、ホメオパシー医学の基本的な考え方がすんなりと理解できるようになっています。

今や、多くの日本人を蝕む現代病・・・すなわちアトピー、喘息などと予防接種とのつながりはどうなのか? 感情論を排して、徹底的に現場ホメオパスの立場から医原病の秘密に迫り、警告を打ち鳴らします。
これまで絶対善とされてきた「予防接種」とは、いったい何なのかを、根本的に考えさせられる衝撃の講演録です。
既刊『ワクチノーシス』との併読で、ホメオパシー医学についてのより深い理解が可能になるでしょう。ぜひご一読をお薦めします!

★本書は在庫ありです。BOOKSコーナーの「ホメオパシー出版の書籍取り扱い書店」でお求めになるか、Web書店でご購入ください。また、東京(渋谷区初台・代々木上原<本社内>)・大阪(吹田市垂水町)・福岡(中央区平和)のホメオパシーブックスをご利用ください。


●ホメオパシーの手引きJ 歯 

 ラビ・ロイ&カローラ・ラーゲ・ロイ 著/熊坂春樹 訳/由井寅子 日本語版監修(ホメオパシー出版刊) 新刊 税込定価 1,260円

世界中で、実にたくさんの人々が悩まされている歯のトラブル。しかし多くの場合、歯医者さんは「怖いところ」で「痛いところ」という『常識の壁』に、誰もがあきらめきっているようです。
しかし、初めての「ホメオパシー歯科治療」入門書と呼べる本書では、ホメオパシー療法による虫歯予防・治療・アフターケアのそれぞれについて、具体的に説明されていますから、これからは違った『常識』が生まれるかもしれません。
本書ではさらに、フッ素の毒性に関する解説、歯科治療の不安に対するホメオパシーでの対策など、きわめて重要ですぐに役立つ内容が盛り込まれています。このテキストを読まれた方は、ぜひ本書で説明されている虫歯予防の知識を現実に活かし、また歯科治療に対する不安をやわらげ、歯科治療をより快適なものにしてください。
特に、子供さんの虫歯予防について詳しく解説されていますので、小さなお子さんをもつお母さん、お父さんに、ぜひ利用していただきたいところです。

<本書の構成-主なもの>

・ホメオパシーによるカリエス(虫歯)予防
・フッ素の話、いかにして信じられないような話を信用できるようにしたか?
・どのように歯科医の治療に対する不安に打ち勝つか?
・外科手術
・局所麻酔時のホメオパシー剤

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●ホメオパシー出版  http://homoeopathy-books.co.jp/


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◇美と歴史にふれる◇


●絵のなかのふたり展

平成17年11月16日(水)から12月25日(日)まで 福岡県の石橋美術館にて開催

住所:福岡県久留米市野中町1015
Tel:0942-39-1131
アクセス:JR久留米駅から西鉄バスで約20分「文化センター前」下車
    :西鉄久留米駅から西鉄バスで約5分「文化センター前」下車
    :九州自動車道・久留米I.Cから国道322号で久留米市街地方面へ進む。
     石橋文化センター内の有料駐車場がご利用になれます。

開館時間(10月〜3月:午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日あるいは振替休日の場合は開館し、その翌日は休館です)

本展は「ふたり」という構図に着目したもの。さまざまな人物画のモティーフのなかでも、人物がふたりというケースに焦点を当てています。
実は、古代ギリシャから現代に至る長い絵画の歴史において、日本でもヨーロッパでも、ふたりの人物を描いた作品はかなり多いのです。この「ふたり」の人物関係には、親子、男女(夫婦・恋人など)、同性同士(友人・兄弟など)、作家とモデル・・・いろいろな組み合わせがあり得ます。
さらに、はっきりと絵にその姿は見えないものの、別の人物のからだの一部が表現されている作品とか、また、もうひとりの存在が感じられる作品など、巧みな表現方法を楽しむこともできます。
なお本展は、ブリヂストン美術館と石橋美術館が所蔵するコレクションを中心にして、油彩、彫刻、版画など(約80点)により構成されています。

※東京都にある「ブリジストン美術館」と福岡県久留米市にある本「石橋美術館」は、ともに潟uリヂストンの創業者である石橋正二郎氏の美術品収集をそのコレクションの基礎としています。

<参考サイト> 石橋美術館
http://www.ishibashi-museum.gr.jp/


●プーシキン美術館展 -シチューキン・モロゾフ・コレクション-

平成17年10月22日(土)から12月18日(日)まで 東京都美術館:企画展示室にて開催

住所:東京都台東区上野公園8−36
アクセス:JR上野駅「公園口」より 徒歩約7分
    :東京メトロ上野駅、京成電鉄上野駅下車 徒歩約10分
 ※駐車場はありません。ただし、身障者用の車の場合は、事前に連絡してください。

開廊時間:午前9時〜午後5時(入室は閉室30分前まで)
休館日:毎週月曜日

本展ではフランス近代絵画の名作、特に印象派の作品が多く展示されます。ですから、ロシアの詩人・プーシキンとは、本展の内容はあまり関係ないのです。  
もともとプーシキン美術館というのは、大詩人プーシキンの生誕100周年を記念して、特別に命名されたということです。美術館に文学畑の人物の名が冠せられるほど、この詩人がロシア人に敬愛されているということでしょう。
ちなみに、プーシキン(1799〜1837)は詩人であると同時に小説家・劇作家であり、ロシア近代文学を確立した人物と言われます。また、決闘によってその生涯を閉じたという人で、実生活ではいかにもロシア貴族のスノッブな一面をもっていたようです。
さて本展では、フランス美術、なかでも近代絵画の分野で名高い作品・・・マティスやモネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソ、アンリ・ルソーなどの作品が展示されます。
しかしなぜ、ロシアの美術館にこれらの逸品が収集されているのでしょうか?

ちなみに、世界の三大美術館の一つとして名高いエルミタージュ美術館(サンクト・ペテルブルク市)は、有名なロシアの女帝・エカテリーナ2世のコレクションを基礎に、膨大な数の西欧の美術品を収集しています。
これに対してプーシキン美術館は、ロシア帝政時代の二大コレクターと言われるシチューキン、モロゾフ両氏のコレクションを受け継いでいるのです。この二人は、パリでフランス近代絵画を熱心に収集したロシア人実業家なのです。
このように、大実業家が芸術作品を収集するのは世界的に共通したことで、日本にも「出光コレクション」や「松方コレクション」などがあります(松方幸次郎氏は川崎造船所社長を努めた人。東京の国立西洋美術館は松方氏のコレクションをもとに創立されたのです)。

ちなみに、シチューキン氏はマティスやピカソが好きだったようで、それに対して、モロゾフ氏はセザンヌやボナールを好んだということです。
彼らは、当時の印象派作家の作品だけではなく、まだしっかりした評価も確立されていなかったフォービスムやキュビスムの作品まで、コレクターの眼で見定めていたのです。
その後の1917年のロシア革命によって、この二人のコレクションは国有財産となりました。1948年にはプーシキン美術館とエルミタージュ美術館とに(モスクワ市とサンクト・ペテルブルク市に)二分して所蔵されることになりました。

<参考サイト>

本展のホームページ
http://www.asahi.com/pushkin/

プーシキン国立美術館(英語・ロシア語)
http://www.museum.ru/gmii/

 

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