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食と環境
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◇冬の食欲・ダイエット

糖尿病、高血圧、動脈硬化、そしてメタボリックシンドローム。いま、こういった言葉に敏感になっている方も多いことと思います。このような、いわゆる代謝にかかわる病気や循環器系の病気の場合、どこかを切れば完全に治るというものではありませんから、何をどうしてよいのかわからず、なんとなくずるずる悪化させてしまう傾向があります。
もちろん、たとえば癌(がん)にしてもそうなのですが、とりあえず「切れば治る」というような「定番」の治療法があったとして、それをしっかり実践していれば完治するというほど、もともと病気は単純ではありません。
そうすると、病気というものをどう考えるか、また当面どのような方法で治療に臨むのか、こういう意思決定の部分では、まさに個人の人生観や世界観が問われることにもなります。たとえば、食べることが最大の喜びだという人生観をもっている方にとっては、美味しいものも食べないで長生きしたところで、そのような人生には何の意味もないはずです。そうすると、治療方法としての《食事療法》は、あまり効果を望めないということになります。


●そもそも「食欲」は「悪」なのだろうか?

さて、いまや「健康」とか「医療」などのカテゴリーでは、絶対に欠かすことができなくなった感もある「メタボリック症候群」について論じるとき、私たちは「食の問題」は避けて通れません。
しかも、この「食の問題」はさまざまな角度から検討されているというより、いかにして食べないようにするか…すなわち「どのように摂取量を減らすか」というところに論点が絞られてしまうきらいがあります。
また、そうでない場合には、各食品メーカーが続々と発売する『ダイエット用食品』についての、あれこれの小さな議論になってしまうのです。たとえば、リバウンドのない○○が一番いいとか、好きなものをいくら食べてもかまわない○○が最高などと…。

ここで、沸々とわき上がってくるのは、私たちにとって「好きなものをたくさん食べる」ことは悪いことなのだろうか、という単純素朴な気持ちです。
何か、どうも釈然としない部分が残ります。なぜなら、食欲はそもそも性欲や睡眠欲と並んで、人間の本質的欲求ではないか? それを「なんとなく悪いこと」と決めつけてよいのだろうか、という思いです。
確かに、性欲にしても睡眠欲にしても「野放し」にするのはよくないでしょう。しかし、たとえば性欲について言えば、その存在は《種の存続》という大きな目的に通じていること自体は否定しようがありません。睡眠欲も脳を休めるために必要なものです(一部には、人間には睡眠は必要ないという意見もあるのですが)。

しかしまた、人類の過去においては、単に「好きなもの」に限らず、そもそも、食べ物を好きなだけ食べることが可能な時代などは存在しなかったという、決定的事実も重要です。
人類の起源については、さまざまな発見によって新しい説が唱えられていますが、有力な説によると約700万年前にまでさかのぼるそうです。また、私たち現生人類(ホモ・サピエンス)の歴史だけでも、20万年前後という長い歴史があります。
そしてこれらの期間、人類が食べ物に困らない時代はありませんでした。日本でも、ほんの百数十年前(江戸時代の最後の大飢饉;天保の大飢饉)には、飢えによって多くの人が死んだのです。そういうことを考えれば、食べ過ぎによって病気になるなどというのは例外中の例外であって、人類はまだそれに対する対応策を見出せないというのは、あまりにも当然だということがわかります。
そして、人間の体もまた、過食・飽食の時代に適応できる進化を遂げていません。


●食欲はうまくコントロールできないものなのか?

周知のごとく、私たち人間は誰でも「腹がへる」という感覚をもつことができます。もしもこの感覚がなければ、極端な場合、まったく食事をしない人などが出てくる可能性があるわけです。そうなると、気がついたときにはもう「手遅れ」だったりするかもしれません。しかし幸いに、体のほうで栄養補給をしろと知らせてくれるのです。
こうして、栄養不良で体を壊す前に、私たちは食事をしてエネルギー源を補給できます。さてその際に、体の内部ではどのようなメカニズムが働いているのでしょうか? どのような経路をたどって「腹がへった」情報は伝えられるのでしょうか? 

ここで誰もが考えるのは、胃のなかが空になると、神経組織か何かが至急電報(「胃の中が空だ」という情報)を送るのではないか・・・ということです。確かに、胃の中にあった食物が、十二指腸を通って小腸に移動すれば、胃のなかは空き状態になります。当然、胃の中のこの変化が何らかのかたちで認識されると考えられます。
しかしまた、さまざまな見解や学説を見聞きすると、どうも「腹がへった」情報が伝達されるルートは、それだけではないようです。調べてみると、実際に「食欲」という感覚をコントロールしているのは、私たちの脳のなかの「視床下部」と呼ばれる部位にある《摂食中枢》と《満腹中枢》とみられています。そして、この2つの《中枢》のバランスのあり方が、私たちの食欲に影響を与えているようなのです。

【視床下部】

ヒトの脳は、大脳、中脳、小脳からなります。そして、大脳は「大脳半球」と「間脳」からなり、間脳は大脳半球と「中脳」の間にあります。そしてこの間脳は、「広義の視床」と「視床下部」からなります。視床下部は自律神経の中枢として、食欲や睡眠欲、さらに体温や血圧を調整していると考えられ、交感神経の機能、副交感神経の機能、内分泌機能をトータルに調節しているとみられます。


★前記の2つの中枢…「腹がへった信号」を出す《摂食中枢》と「もう腹いっぱい」信号を出す《満腹中枢》…に影響を与えるのは、消化器官における化学物質の状態を感知するセンサーや、消化管にある内容物の量と消化管の運動状況を感知するセンサーなどから発信される「神経情報」と考えられます。また、血中のブドウ糖量などの情報も影響を与えていると考えられます…食事によって血中のブドウ糖量は増えますから、それをセンサーが感知して「満腹」シグナルを発信できます。
そういうことで、食欲を感じさせたり、満腹を知らせたりという、実に微妙な調整が行われているようです。もしも、この調整が適切に行われない状態になると、たとえば「摂食中枢」のバランスが崩れると、過食症などの問題が生じます。

【ストレスから生じる過食】

心理的ストレスが、過食を引き起こすケースもあるようです。この場合は、ストレスから摂食中枢や満腹中枢にトラブルが生じて、実際は満腹なのに「腹がへった」信号が出っ放しの状態になったり、あるいは「もう腹いっぱい」信号が出ない状態になったりするのです。
さらに、満腹感があるのにもかかわらず食べ続けるケースもあります。これは「もう腹いっぱい」信号を無視する状態ですから、ついには、どれほど食べても満腹感を得られないということにもなりかねません。

こうしてみると、まず「早食い」を避けることが体重管理(肥満や過食の予防)に大切であることがわかります。あまりに早く食べると、「もう腹いっぱい」信号を発するさまざまな《満腹センサー》が、スピードに追いつかないからです。自分は満腹感が得られないので、次から次へと食べることになります。
昔から言われる、ゆっくりよく噛んで食べるほうが良いというのは、消化をよくするだけではなく、満腹センサーのための時間稼ぎの意味もあるのです。


●ダイエットにとって大切なものは何か

誰でもそうですが、お腹のまわりに脂肪がついてくると、不安になります。かつて成長期には、親からも「たくさん食べなさい」などと言われ、学校では給食を食べ残したりすると大いに怒られるといった経験をしますから、当然のように、食べ残すことは悪いことだという意識が根づいています。
同時に、自分でお金を稼げるようになって、子供の頃には食べられなかったアレコレが口に入るようになると、その道にのめり込む人も出てきます。でも、やはりどこかでブレーキをかけなければならないわけです。
昔の人たちは何も食べられなかったのだから、自分ももうこのへんで…と考える方もおられるでしょう。食べること以外の趣味にのめり込むという方法もあるかもしれません。


●脂肪細胞からレプチンが!

しかし本来、私達の体には、食欲を抑える物質であるレプチンが備わっています。この「レプチン」という物質は、実はあの脂肪細胞から作られるのです。ですから、急激にダイエットをして脂肪量を減少させても、同時に、レプチンの量もすっかり減ってしまって、わき起こる食欲を抑えられなくなるという事態にもなります。これが、いわゆるリバウンドの原因の一つです。
このようにみていくと、無茶なダイエットに挑戦するより、人間として自然な空腹状態(飢餓とは違います)に体を慣らすことも大切なのではないか、そう思えてきます。
何度も繰り返しますが、人類は(類人猿のころにも)ほとんど、満腹になるほど毎日食べるという経験をしていないのです。私たちは人類未踏の領域に入り込み、まったく初めての経験をしているのです。
もちろん、どこの国でも、どの地域でも、一部の特権階級の人たち(王侯・貴族・豪族など)は、たくさん食べていたかもしれません。実際に、平安貴族が残した日記などを読むと、彼らが糖尿病であった可能性が強いという指摘もあります。
しかし、彼らが食べていたのはもっと質のよい食品です。現代人の多くが食べているのは、化学的に作られた製品であったり、農薬にまみれた野菜だったりするのですから、そういう意味でも過去の事例は参考にならないのです。摂食量自体の問題と、化学的に汚染された食品を食べ続けているという、二重の問題があるのです。

 
☆ダイエットのためのウォーキングについて

無理のない有酸素運動として広く薦められるのはウォーキングです。とりあえず「1日6000歩」くらいから始めてみましょう。
これまで、ウォーキングも含めて、あまり体を動かしていない人は、膝などを痛めないように少しずつ歩数を増やしましょう。血圧が高めの人は、担当の医師に相談したほうがいいでしょう。また、シューズにも気を配ってください。何も高いブランド品を買うことはありませんが、しっかり歩ける、自分の足に合ったシューズが必要です。ウォーキングシューズを多く置いているお店で相談しましょう。

【有酸素運動】

酸素を消費して、かつ充分な呼吸を確保しながらできる運動のことです。血中脂肪や内臓脂肪を分解して、燃焼させるためには一定量の酸素が必要。ですから、酸素を取り入れる有酸素運動が意味をもつのです。重量上げなどの筋肉運動では、無酸素運動になります。
年齢にもよりますが、脈拍が110〜120(1分間)をこえると、無酸素運動になるとみられます。


<歩くスピードは?>

ウォーキング中に脈拍を測って下さい。

1分間:110〜120 最適

*これ以下の数値では、あまり効果が望めないようです。

<目標歩数は?>

最初はまず、6千歩から始めて、なるべく1万歩に達するように。

 そうは言っても…という方に、

「あと1000歩、より多く歩く」には、時間にしてたった10分程度、距離で見ると700メートル程度、余計に歩くだけです。

<休憩はどうする?>

休みながらでも可。全体としてまとまった時間(歩数)歩けば、効果があると言われます。大切なことは、無理をせず、少しずつ慣らして行くことでしょう。
 
<注意事項>

高齢者や何らかのリスクファクター(心臓病など)を持つ方の場合、心機能検査を行なった上で主治医とよく相談してから始めて下さい。
ウォーキングの他に、プールでの水中歩行、サイクリング、適度なジョギングなど、有酸素運動はいろいろあります。

【あくまでも食事内容の改善、食事量の節制も同時に!】


★生命組織塩でやせる

ホメオパシー出版から刊行された『生命組織塩で健康にやせる-実証ずみの成功プログラムによって永続的にスリムに-』をお読みください。
肥満を新しい角度で分析し、具体的な減量法を紹介しています。

【本書のご案内】

本書では、生命組織塩の不足こそが体内環境を悪化させ、そのために、本来は排出すべき代謝の残物(老廃物)が脂肪細胞内に沈殿し、その捨て場所を増やすために体は肥満せざるを得なくなる…と、鋭く指摘します。今や多くの人が、ストレスや劣化した食事、水・空気・食の汚染などから、ミネラル不足の状態にあります。それは、生命組織塩が不足しているということです。その結果として、脂肪組織内に沈殿した代謝老廃物や汚染物質が肥満をもたらし、健全な健康体を維持できなくしているのです。ですから、この老廃物・汚染物質を毒出しして浄化を行い、健康でスリムな体を手に入れることが大切です。
食事量の調整や食事内容の改善だけで、健康でスリムな体になるのは困難です。なぜなら、そういう方法では、リバウンドや体力低下が避けられないからです。これまでの栄養学や熱量計算だけの、いわゆる通常の「ダイエット本」とは、本書はそこがまったく違います。


ホメオパシー出版 http://homoeopathy-books.co.jp/

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