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病気と自然治癒力
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「完璧な健康」とは何か?

現代は、自分や家族の「健康」に強い関心をもつ人が多いと言われます。たしかに、テレビの健康・医療に関する番組はかなり増え、新聞・雑誌の健康欄も大きくなった気がします。しかし、この現象はいったいなぜなのでしょう?
ひょっとして、病人が増えたからでしょうか。あるいは、健康に自身のない人が増えたからでしょうか?
必ずしも、そう断言できません。・・・でも、ここではっきり言えることは、長生きしてる人が増えたということ。すなわち、高齢者がどんどん増えているという現実です。

●世界一の長寿を達成した理由は?

それはもう、実際に世界一の長寿国なのですから、日本国民は長生きしているのです。
テレビのCMでは「見るに見かねます」というのもありましたが、そこまでは行ってないでしょう。
最近のデータでも、男性:77.8歳、女性:85.0歳(国連「世界人口白書2002」から)という、平均寿命ではまさに世界一の金メダル。それにこの日本の平均寿命は、世界に冠たる「自殺率の高さ」があってなおのことですから、長生きの「実力度」も相当なものと言えるでしょう。
ただ、なぜか日本に続く長寿国は、みんなヨーロッパの小さな国です(アンドラ公国、アイスランド共和国、サンマリノ共和国、スウェーデン国、スイス連邦・・・)。こう言っては失礼かもしれませんが、どちらかというと「のんびり生きてる」感じの国々!? いわゆる経済大国などではありませんね。
アジアの国で、しかも「世界に冠たる残業大国」の経済大国で、日本国民はどうしてこんなに長生きできるのか? ここでまず指摘できるのは、充実した医療制度です。やはり国民皆保険というかたちで健康保険制度が整っていることは、日本国民に大きな安心感を与えていると考えられます。
次に指摘できるのは、国民一人ひとりが「清潔であること」に気を配っていることでしょう。さらに、日本食という「健康食」を日常的に摂取していることも挙げられます。
島国という地理的条件から、感染症に対して比較的に安全であった(これまでは)ことも、長生きを実現した理由に挙げられるはずです。 そこで、最初のテーマに戻りましょう。健康の問題に関心を持つ人は、なぜこれほど増えたのか。

●高齢者にとっての「健康」とは?

自分や家族などの健康問題(医療やヘルスの問題)に関心を持つ人は、なぜ増えたのでしょう? 結論として、しかし、あくまで「・・・だろう」ではありますが、高齢者の増加によって、さまざまな病気にかかる人が増えている。したがって当然に、多くの人々が(高齢の)自分や家族の健康状態に関心を強めているであろうと思われます。 同時に、コマーシャリズムの影響を受けた過度の「健康至上主義」を指摘せざるを得ません。ここで「健康至上主義」という言葉の意味を説明しましょう。
たとえば人間には、免疫力というものがあります。これは、生物としての長い進化の過程で人類が獲得した財産です。しかしこの力も、ピークは20代なのです。 すなわち、働き盛りと言われる30代から40代、50代でも、もうどんどん体は「弱っている」という一面があるのです。あくまで一面での話ですが、事実として認識すべきことでしょう。
ここで何が言いたいかといえば、人は病気になるのは当たり前ということです。人は年月と共に老い、それなりに病気もする、それが生き物として当然の「生きざま」なのです。 ですから、少しくらい体の調子が悪いからといって、神経質になることはないと思うのです。自然治癒力が低下しつつあるといっても、その力を盛り返す工夫、自然治癒力の低下速度を緩める工夫はできるのです。

●健康に気を使うこととは、必ずしも「病気にならないこと」ではない

日本という国に、世界の高額医療機器(すなわち、先端技術で開発された機器)の三分の一近くが集中していることをご存知でしょうか? そして、こういった医療機器を使用する治療には、多くの場合、健康保険は適用されていないということです。 すると、日本国民の「長寿達成」には、こういった「世界に冠たる先端技術」は役立っていないとも考えられます。 ならばやはり、一人ひとりの国民の「体を鍛える」というガンバリ、健康保険制度、清潔習慣、草の根的な医師の方々の献身的努力が、世界一の寿命につながったのでしょう。
今、医療の問題が大きな国民的テーマになっています。誤診や手術ミスを繰り返す、医師としての適性や能力を欠いたドクターは、他の職業と同様、厳しく追及されてしかるべきと思います。 しかし、患者の側でも「薬をもらうために病院へ行く」といった発想を転換する必要があります。
薬物治療は、もともと選択肢の一つなのです。 ちなみに、最近では「先生がなかなか薬を出してくれない」という患者さんの声を聞くことも多くなりました。もちろん、医療費抑制という財政面からの要請もあるでしょうが、医師自身が薬物治療のマイナス面に気付きはじめているのも一因でしょう。
少しばかりの体調不良で、すぐ薬剤に頼るような習慣が身に付いてしまうと、もう「薬物中毒」と同じ状態になってしまいます。特に、精神疾患治療でのリバウンドなど、薬欲しさに患者が精神的に追い詰められるという事態も生じています。
人は、多少は病気になることも、老いることも、生物として自然なことです。また当然、必要なときは、薬物治療も手術もしなければならないでしょう。気をつけるべきことは、多少の病気をしただけで「自分は不健康な人間だ」と決め付けたり、ドクターが処方箋を出してくれなかったから「あの医者はだめだ」と考えたりしないことです。
自然に老いて、少しは病気にもなる。それなら、自分の自然治癒力をアップするため努力をして、できるだけガンバル。それでも無理ならドクターに助けてもらう(そのために良いドクターを探すのは、患者自身の自己責任です)。
こういう態度こそが、セルフ・メディケーションであり、ヘルス・マネジメントにも通じる姿勢ではないでしょうか。 何よりもまず、自分の病気を治す力は、自分のなかにあるのですから。

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