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病気と自然治癒力
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「こころの病気に打ち克つ!」

ストレスという言葉があります。一般的には、いわゆる心理的な緊張のことですが、もともとの意味は、何らかの外的刺激が「心身」を圧迫して、それによって生じる機能変化を指しています。要するに、精神・心理面には限らないのです。 たとえば、暑さや寒さもストレスの原因(ストレッサー)になるわけですし、誰かの意地悪な一言も同様です。ですから、ストレスを避けて生活はできません。 ところで、近年大きな問題となっているのは、中高年男性の自殺者数急増、多動児や自閉児の増加、ニート(学校にも行かない、仕事にもつかない)の若者の増大、主婦のギャンブル依存やアルコール依存、そこまで深刻でない段階でも、極めて多くの人が悩んでいるのは、睡眠障害、抑うつ感などです。 何しろ最近では、子ども達でさえ「うつ傾向」が増えていると報道されています。こうしてみると、現代は、歴史上まれに見るような「こころが壊れる時代」なのかもしれません。 しかし、時代が悪いといくら嘆いても、誰も助けてはくれません。自分のことに責任をもつのは、やはり最後は自分だけなのです。

「プラス思考」論の限界

ここで、はなしの入り口として、うつ病の前段階である「抑うつ状態」をどう乗り切るか、それを考えてみましょう。 この「抑うつ状態」というのは、いわゆる抑うつ感情(絶望感・悲哀感・焦燥感など)にこころが蝕まれている状態です。当然、一つの作業に集中できない、思考に集中できないという現象が現れます。 要するに、マイナス思考や否定的感情にとらわれていると言ってもいいでしょう。 さて、書店に行くと必ず「自己啓発」に関する本を置いているコーナーがありますね。そういうコーナーがない場合でも、ビジネス書のコーナーなどに、この「自己啓発」の本は混じっています。 あなたがそういう本を手に取って、目次などを見ると、やたら「プラス思考」という文字が踊っているのに気がつくでしょう。 しかし、「プラス思考」とは何でしょう? 簡単に「プラス思考」と言っても、具体的にどういう考え方が「プラス」なのか? そこが気になるところです。 たとえば、次はとても単純な一例です。 あなたが財布を落としてしまったとします。そこには、2万円が入っていたとします。 お金に余裕のある人なら、「しょうがないな、こんなこともある。ひょっとしたら、悪いことがあった後には、良いことがあるかもしれない」と考えるかもしれません。 これに対して、もしもその時あなたにとって、そのお金が本当に無け無しの2万円だったとしたら、そういうプラスの考え方ができるでしょうか? おそらく、まず不可能でしょう。そんな状況では「プラス思考」の大切さをいくら説得されても、人間はそう単純に気持ちを切り替えられません。 ですから、単純に「プラス思考」に切り替えれば逆境を乗り越えられるというほど、話は簡単ではない。むしろ「プラス思考」が不可能な状態に対してどう対処するか、それこそが自己啓発のテーマであるべきなのではないでしょうか。

自分のこころを正面から見据える訓練

では、どうすればプラスの方向へ物事を考えられるのか? たしかに、マイナス思考が身に付いてしまうと、こころだけでなく、体調まで悪くなってしまいます。 「それじゃあ、どうすれば?」と言う方は、一度自分を見据えることを考えるべきでしょう。 こんなことを言うと、「さっきのプラス思考と同じじゃないか」と反論されるかもしれません。実際、落ち込んでいる人に向かって、単に「自分を見つめろ!」などと説教しても無意味です。 しかし人間は、結局のところ、自分自身で立ち直るしかないのです。家族も、友人も、生命体としては別個の存在です。あなたは、あなたのDNAを持っているのであって、誰も同じDNAを持ってはいません。 ここで、単に「自分を見つめよう!」という、むなしい精神論で終わらないよう、道具が必要になるわけです。 ある人にとっては、宗教が道具になるかもしれません。信仰は、ある部分で「こころを楽にする」一面があります。 浄土真宗には、有名な「他力本願」という言葉がありますが、これは極端に単純化すると、「一心に念仏しなさい。そうすれば、どんな人でも極楽往生できる」という教えです。こう言ってしまうと、何だか「空約束」された感じで胡散臭いわけですが、こういう教えのバックにあるのは、人間は自己の努力や修行だけで救われるのではないという哲学だと考えられます。 キリスト教やイスラム教などの、いわゆる一神教の考え方も、これに近いところにあると言えます。 一神教の信者は「神のご加護」とか「神の思し召し」という言葉を口にするわけですが、これも裏返せば、この世は「自分の力だけでどうなるわけではない」という哲学が基本にあるからでしょう。 このように、こころのある部分は神様や仏様に投げておいて、結果は受け入れて行くという生き方も、ある人達にとっては、こころの破壊を免れる上では意味のあることかもしれません。 しかし、神と契約する者、また仏の道を目指す者には、当然それなりに自分を見つめ直す作業や、それぞれの教義をどう受け入れるかというような自己の内的葛藤も避けられないわけです。 実はここに、精神論とも宗教とも違うアプローチをとるホメオパシーがあります。200年以上も前に、ドイツ人の医師が体系化した同種療法です。 このホメオパシー医学では、病気(こころの病気も含めて)の原因とは、バイタルフォースの滞りにあると考えます。バイタルフォースというのは「生命エネルギー」の流れであって、日本語の「自然治癒力」の概念に近いものです。 ここでバイタルフォースの流れが滞ってしまう原因とは、不自然な自己が内部に形成されるからと考えられています。 くだけた言い方をするなら、自分らしい生き方ができない状態が続いて、不自然な自己ができ上がってしまう。こうして本来の自己を失ってしまうと、バイタルフォース、自然治癒力は機能しなくなるということです。 では、自分らしい生き方とは何でしょう? それは、人が誰もこの世に生まれるに当たって持っている「自分のテーマ」を実現するための生き方を意味します。 そうした、自分本来の生き方ができれば、精神科にも神経科にも、あまり頻繁に通院する必要はなくなるでしょう。 ホメオパシーでは、レメディーと呼ばれる小さな玉が、あなたの自然治癒力に「気付き」を与える役割を果たします。しかし、レメディーの種類は膨大ですから、自分のレメディーを見つける過程では、自分自身の現実に直面しなければなりません。 こうしてみると、ホメオパシーでは「自分の人生のテーマとは何か?」という問題を解決することが、こころの健康を取り戻すことになるようです。

五感を刺激して本来の自分を!

一般的に言って、こころの健康のためには、良い習慣を持つことが非常に大切です。自然治癒力を強くして、ストレスにも耐性を持つようになるには、やはり人間も動物としての根元的な力を呼び覚ますことが必要です。 文明の発達による肉体面での衰退もあれば、土や太陽や木々から離れた生活に浸って、自然界のパワーをもらえなくなっている面もあります。 さらに、抗生物質や防腐剤の入った食物に囲まれて、ますます生命体として弱体化したようです。 そこで、自分自身の「五感」を刺激して、脳の生命中枢にカツを入れましょう。なぜなら、私達はふだんの生活で、知的活動をコントロールする大脳新皮質(新しい脳)ばかり働かせています。 ですから、意識的に生命活動や本能、感情をつかさどる脳の生命中枢部分を、あまり働かせていないからです。 「五感」とは「視・聴・嗅・触・味」に関する感覚。もともと私達が大昔、林のなかにいた時、草原で狩をした時など、敵の接近を察知して身を守るために研ぎ澄まされた感覚機能です。 最近の研究で、五感を刺激すると「生命中枢の機能が向上する」ことが判明しました。ですから、精神的ストレスにも強くなると考えられるのです。 皆さん、山へ海へ草原へ出かけて、音や匂い、色や手触り、さまざまな味に触れましょう!

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