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病気と自然治癒力
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◇ リストカット・シンドローム ◇

テレビ報道などでよく知られるようになったリストカット。私たちの抱くイメージでは、自分の手首に切りつけ、自傷する行為ですが、本当のところはどうなのでしょうか?
今回は、リストカット・シンドロームに焦点を当てて、特に若い女性に見られるこころの問題を取り上げます。


実は米国では60年代に「流行」していた

この『リストカット』は、直接的な意味としては、刃物を使って自分の手首を切りつける行為を意味する言葉です。しかし現在では、一般に『リストカット・シンドローム:英文表記 』と言われ、さらに広い概念で使われることが多いようです。また、他にも という表現もあります。
さて、シンドロームとは、日本語では「症候群」ですから、臨床的にはさまざまな例が含まれるわけです。当然、傷つける場所は手首だけに限りませんし、刃物で肌を切る行為に限定されないのです。具体例としては、人によっては髪の毛を抜いたりします。また、ひどい場合には、自分で骨折する行為もあります。このように、実際の自傷行為にも相当にバリエーションがあるということです。
ここで注意しなければならないのは、リストカット・シンドローム、すなわち自傷行動は、自殺未遂とは異なるという点です。一般的に、自傷行為を行う人が自殺に至る割合はあまり高くはないと言われます。ただし、国により時代により数字は異なるため、単純に「彼らは自殺はしない」と決めつけることも危険です。
なおリストカットは、1960年代に米国で大流行しましたが、その時代の米国は、学園紛争やヒッピーに代表されるような独特の雰囲気に包まれていたようでもあり、その時代状況とリストカット大流行との間の関連性も考えられます。


なぜ若い未婚女性が中心になるのか?

リストカットの本質についてはさまざまな説があり、従来の「境界型人格障害からくる一症状」という考え方だけでは、現状を説明しきれないという意見が出されています。
それはなにより、今現在、わが国でのリストカット常習者の大半が10代〜20代の若い未婚の女性と考えられ、なかでも18歳以下の非常に若い層が増加していて、人格障害という診断を下すには「若すぎる」と考えるからです(18歳以下では、人格形成の途上であると考える)。
なお、どうしてリストカット常習者が「若い女性たち」中心であると考えられているかというと、多くの場合、親や教師が子ども(生徒)の自傷行為に気づいて、病院や診療所(または学校の保健室?)に連れて行くからです。ですから、どんな人がリストカットを行うのか、ある程度は把握されているのです。なお、理屈の上では、自傷行為をして自分で手当をするような人もいるかもしれませんが、そういったケースはあまり多いとは考えられないようです。
それは、自傷行為というものが、本人がどこまで意識的であるかは別にして、本来が「人に(特に母親に)見せつけるため」のものと考えられるからです。なお付け加えると、リストカットの常習者は「摂食障害」にも悩んでいるケースが多いことが指摘されています。
ではなぜ、若い未婚の女性にリストカット・シンドロームが多く見られるのか、その理由に関しては、一般的に次のような説明がされます。 <若い未婚女性にリストカット・シンドロームが多く見られる理由> リストカット・シンドロームの本質についてはさまざまな説があるが、母親との愛情関係(一体感)の喪失に直面して、母親の注意を引くために自傷行為に及ぶケースが多いと見られる。男の子であれば、感情のはけ口が外に向かうことが多く、家庭内暴力や非行として現れることも考えられるが、女性の場合は内向する傾向が強いので、自分を傷つける方向に行くのではないか。


リストカット・シンドロームの治療
リストカットなどの自傷行為は、からだを具体的に傷つけるわけですから、病院ならまず「外科外来」ということになります。また、外科が混んでいる時はすぐに精神科に回されることもあるようです。 これは、自分で自分を傷つける行為ですから、他人から被害を被る「傷害事件」ではありません。そのような行為を繰り返したり、さらに、より深刻な精神の病へと重篤化させないために、治療が行われます。
リストカット・シンドロームは、こころの病の一つですから、医師が単に傷口を縫って包帯をして、「もう、こんなことするんじゃないよ」と言って済むことではありません。
そこで、精神科医による治療や、心理療法士(スクールカウンセラーを兼ねていることもあるでしょう)によるカウンセリングなどが、患者に対して行われます。
ここで大切なことは、患者自身が治療に取り組む姿勢があるかどうかです。病院にも行こうとしない、カウンセリングも受けたがらないという患者が、少なくないと言われます。
さらに、医師との相性もありますから、他の患者に有効だったからといって、その医師が誰にも有効な治療を行えるとは限りません。
なにしろ、この病気の本質自体が、まだ精神医学の世界でもはっきりと解明されていないのです。
そこで次に、ホメオパシー療法でリストカットを克服した「体験談」をご紹介しましょう。ホメオパシーが、心と体を癒す伝統療法と呼ばれる一面を示しているようです。

(体験談では、プライバシー保護のため、個人名は伏せさせていただきます。また当体験談は、ホメオパシージャパン鰍ノ寄せられたものであり、当ホームページ管理者がホメオパシージャパン鰍ゥら掲載許可を受けたものです)。

■体験談−娘がリストカットをしていることに気づいて−■
高校に入学したばかりの15歳の娘。ゴミ箱の中の血がついたティッシュ、シャツの腕の血痕、そして偶然見てしまった娘の二の腕の数本の切り傷から、自傷をしていたことに気づきました。
娘は兄と比べて手のかからない子で、穏やかで友達も多く、絵を描くのが大好きな芸術家肌で、いつも私には何でも話してくれていると思っていました。鼻血が出やすく、フォスフォラス(注:ホメオパシーレメディー名)で一発で止まりますが、最近はこの陽気にもかかわらず鼻血が出てないなぁ・・・と思っていた矢先でした。
まさかこの子が!? と、思わず携帯メールをのぞいてみると、リストカット・アームカットをしている女の子達のホームページに出入りしていて、親しいメル友が出来た様子です。
会ったこともない女の子とは毎晩メールで「淋しい」「生きていても仕方ない」など、昼間の娘からは想像もつかない暗い内容の言葉を交わし、カッターで自分の腕を切って「血を見ると落ち着く」「親に束縛されている。早く大人になりたい」・・・と、まるで別の人格のようで、親としては大ショックでした。
電話でホメオパスの方に相談し、すすめられたのがアナカーディアムとストロモニューム(注:ともにホメオパシーレメディー名)でした。AB型だからかどうかは分かりませんが、自らを「二重人格」と言う娘。アナカーディアムを朝晩とらせることにしました。娘には「お肌に良いから」と言って・・・。 服用開始した次の朝、登校途中で吐き気を催し保健室へ行ったそうです。夜、学校の先生から電話があり「お友達とふたりでずっと泣いていました」とのことでした。泣いたという事以外は、娘の口から知らされました。一緒にいてくれたのは大の親友なので、多分その子に打ち明けることができたのでしょう。
二日目、夜、アナカーディアムを口に入れてすぐ久々に大量の鼻血を出しました。次の日も鼻血を出していました。今、服用5日目です。ひょんな事から、娘は「親に気づかれている」ということを知り、昨日のメールにはそのメル友に「もう切るのは止める。親が心配するし、学校でプールが始まるし」との娘の言葉があり、ひとまずホッとしました。
現在、やはりいささか気まずいのか不機嫌な事が多いです。アームカットを我慢しているからかなとも思います。それでも食欲もあり、夜ぐっすり眠り「学校が楽しい!」と毎日話をしてくれます。
先日、私は娘に手紙を渡しましたが、多分怒られると思ったのでしょう。こわくて読めなかったようで、そのままゴミ箱に捨てられていました。
そこでメールで娘に、「あなたが何をしようとパパとママの宝なのよ」などと私達の気持ちのみを伝えました。
その後、メル友に「親がやたら親子愛を強調してきてウザイ」と言いながらも、「切るのは止める・・・」とのメールを打ってくれたのです。ひとまずホッとしました。
フォスフォラスもそうですが、子供にヒットすると劇的ですね。考えれば考える程、このところの娘の状態はアナカーディアムでした。
最近、若い子の間で「リスカ、アムカ」と呼び、自傷行為がまるでファッション化しているという記事を読んだことがあります。自殺願望ではなく、生きる為に自立する為に通過儀礼として自らを傷つけるそうです。私の考えも及ばないことでした。とにかく、一応区切りがついたようなので、娘のメールチェックはもう止めます(かなり演技性が強いと思うし、何よりこっそりのぞくのは私も嫌なので)。
まだまだ娘の思春期には悩まされるでしょうが、私にもそろそろ子離れする時期が来ているのかもしれません。
ちなみに私はアーセ二カム(注:ホメオパシーレメディー名)をとっていました。本当にお世話になりました。


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