環境・自然治癒力・ホメオパシー ニュートピックス;
食と環境病気と自然治癒力
トラコ先生inロンドン面白本と美術館・博物館
食と環境 病気と自然治癒力 BOOKS リンク


病気と自然治癒力
2


化学物質過敏症(その2)◇

新築したわが家に移ってから、または新築のマンションやアパートに転居してから、どうもからだの調子がおかしい・・・こういった事例が続々と報告されるようになったのは近年のことです。いわゆる「シックハウス症候群」と呼ばれる現象です。また、学校に行くと生徒の体調が崩れるということから、校舎での同様の現象を特に「シックスクール症候群」と呼んだりする場合もあるようです。このように、特定の構造物(建築物)のなかで長時間過ごすと生じる心身の不調も、多くの場合は「化学物質」に由来するものです。

●シックハウス症候群とは?

この「シックハウス症候群」は、大雑把には、一般家屋やオフィスビル、さらには学校校舎等の新築・増築・改築(リフォーム)に使用された建材や建材関連製品などから放散される「揮発性」の「化学物質」が主たる原因となり、心やからだに発現するさまざまな健康障害の症状群と定義できます。その症状は、主なものを挙げるだけでも、次のようなものです。

【シックハウス症候群にみられる症状】

・目や鼻の粘膜への刺激
・アレルギー症状の悪化(鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎など)
・めまい
・頭 痛
・吐き気
・だるさ(全身の倦怠感)
・不 眠
・抑うつ感

化学物質過敏症を広い意味で解釈すると、この「シックハウス症候群」もまた、そのなかの一つの症例と考えられます。ただし、狭い意味で化学物質過敏症をとらえると、両者には明確な差異が存在します。とりあえず、シックハウス症候群の場合は、その建物外にいれば症状が消えることが大きな特徴です。逆にいえば、建物の外に出ても症状が同様に続くなら、その方は化学物質過敏症のレベルに進んでいるということです。
なお、シックハウス症候群の場合、新築やリフォームなどを契機にして、その建物に入った直後から遅くとも数か月以内に発症するケースがほとんどとみられます。

【化学物質過敏症とシックハウス症候群の関係】

一般に「化学物質過敏症」という場合、その患者はあらゆる化学物質に反応します。すなわち、ただ単に住環境のなかで揮発性化学物質にさらされて、それに反応するだけではないのです。
化学物質過敏症の患者はもともと、ある程度の量の化学物質に一定期間接触し(低濃度の化学物質であっても、かなり長期間接触して)、化学物質過敏症を発症します。そしていったん発症してしまうと、微量な化学物質にも非常に敏感になり、化学物質ではない花粉や粉塵などにも反応したりします。そうするともう、生活環境のなかに存在するほとんどあらゆるものに反応します。
こうして、日常生活がほとんど成り立たなくなる場合も出てくるのです。屋外においても、排気ガスや工事現場などから出される化学物質、街路樹に撒布された殺虫剤、さらに花粉・・・などにも反応。家庭内でも、エアコンから出てくるカビ、シャンプーや石鹸、洗剤・漂白剤、タンスの防虫剤、化粧品、白アリ対策の駆除剤、洗面所や風呂場の排水口から出てくる匂い、ペットの毛・・・。すべてが敵になってしまうのです。
ですから結局、家屋等の建築物を離れてしまうと症状も出なくなる、かなり軽くなるという場合は、シックハウス症候群と考えてよいでしょう。


●アレルギー症状の悪化が一つのシグナル

自分がシックハウス症候群かどうか、気になる方も多くおられると思います。その症状自体は、全身の倦怠感とか頭痛、喉の痛みや鼻炎など呼吸器系粘膜の症状、皮膚の痒みなど、かなり一般的にみられるものがほとんどです。特に春の時期などであれば、花粉症と区別ができないこともあるでしょう。
そこで目安となるのは、症状の悪化です。頭痛にしても、喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギーにしても、それまでの症状と比べて顕著な悪化があった場合は、シックハウス症候群が疑われます。ただし、屋内の化学物質の濃度があまり高くない場合には、症状がすぐに出ることは少ないようですので、判断は難しくなるでしょう。
なお、体調がすぐれないということで病院で検査をしても、明確に「シックハウス症候群」と告げられることは少ないようです。専門外来をもつ病院もまだ多くありませんので、検査や治療には自分自身で動く覚悟が必要です。

《最初に神経・精神系の症状が出ることも》

最初に出る症状が、喉や鼻などの呼吸器系症状や、アトピー性皮膚炎の悪化などのアレルギー症状という場合ばかりではありません。入転居からかなりの期間が経過してから、頭痛とか倦怠感、不眠や抑うつなどの精神・神経系の症状が出ることもあります。この場合は、うつ病や神経症、更年期障害と誤診される可能性があるでしょう。
また、抑うつ症状までいかなくても、イライラする、集中力がなくなる、気力がなくなるといったメンタルな部分の変化として症状が表れる場合もあります。

●建築基準法の改正(シックハウス対策規制)について

シックハウス対策の規制が盛り込んだ「改正建築基準法」が、平成15年7月1日から施行されています。この改正法はシックハウス症候群の原因となる「化学物質」の屋内での濃度を下げるため、建築物に使用する建材や換気設備を規制しています。なお改正法の対象は、住宅・事務所・学校・病院などの、すべての建築物の居室です。

※ただし、改正法が適用されるのは新築の場合です。

〔シックハウス対策規制の概要〕
 
☆ホルムアルデヒドに関する建材・換気設備の規制

@内装仕上げの制限・・・内装仕上げに使用する建材(ホルムアルデヒドを発散するもの)に対して、建材の種別に制限

A換気設備設置の義務付け・・・原則として、すべての居室に機械換気設備の設置を義務付け

B天井裏などの措置・・・天井裏・床下・壁内・収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐための措置が必要とされました
 
☆クロルピリホスの使用禁止

有機リン系の白アリ駆除剤であるクロルピリホスは、居室を有する建築物には使用禁止とされました


●化学物質過敏症・シックハウス症候群の治療

⇒ホメオパシーによる「毒出し」等が症状を軽くするという事例も報告されています。

☆ホメオパシーでは「毒出し」のためのレメディーが用意されています。

 体内毒には Sulphur(=腸)と Nux-v(=肝臓)のコンビが有効です。また「浄化活性セット」と「デトックスセット」もお薦めします。
 
 なお、認定ホメオパスに個別に相談なさりたい方は、とらのこ会に入会の手続きをお願いします。

 ホメオパシージャパンのサイトをご覧下さい http://www.homoeopathy.co.jp/

⇒化学物質過敏症の専門外来は北里研究所病院(東京白金:要予約)にあります。また、労災病院系・国立病院機構の医療機関にお問合せください。


<参考サイト>

CS(化学物質過敏症)支援センター〔NPO法人〕
http://www.cssc.jp/

国立環境研究所(独立行政法人)
http://www.nies.go.jp/index-j.html

国土交通省/改正建築基準法に基づくシックハウス対策について
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sick.html

このページのTOPへ戻る

Copyright©2004-2005 日本ホメオパシー医学研究会 All rights reserved.