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面白本と美術館・博物館
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◇本を読んで賢くなる◇

このコーナーは、みなさんに「こんな本を読んだらどうか?」というおせっかいな記事を掲載します。ジャンルには特にこだわらず、新刊・既刊にもこだわらず、本屋さんに行けば手に入る本、図書館で借りることができる本を取り上げます。

●風の男 白洲次郎

青柳恵介著 (新潮社刊・新潮文庫)既刊 税込定価 420円

白洲正子を妻にもった男として、また第二次世界大戦終結後の対日講和条約締結時の存在感によって、今や大ブームの白洲氏。NHKテレビの人気番組『その時 歴史が動いた』でも、2006年4月に「マッカーサーを叱った男 〜白洲次郎・戦後復興への挑戦〜」がオンエアされました。
外見は、まさにダンディを絵にしたような男です。しかし同時に、自身は英国留学組でありながら、その精神面で欧米崇拝に染まることなく、一人のサムライとして外国人にも言うべきことを言った人物です。それも敗戦時という状況下で…。こんな人が今の日本にいてくれたらと、そう思う方は多いはずです。何しろ日本国民は、退任真近い総理大臣が外国でプレスリーのモノマネをする、そんな悲しい現実を見せられているのです。
さて、白洲氏に関する出版物は何冊も出ていて、どれを読んだら良いのかわからないという方もいるでしょう。実際問題、書物というのは、同じ本を読んだからといって誰にも同じ感動があるわけではありません。読む側で何を求めるか、読者それぞれが人生というステージでどういう情況に置かれているか、それによって、その書物のもつ意味が大きく違って来ます。それで結論ですが、本書は《白洲入門》という感じの内容で、写真も多く、文庫本で値段も安い、…ということで、まず読んでみることをお勧めします。
本書には、今では知りようもない戦前のわが国上流階級の生活を偲ばせる内容が豊富ですが、それとともに、河上徹太郎や小林秀雄といった文学史上のビッグネームたちとの交友も知ることができます。とにかく、白洲次郎という人物の一生がコンパクトにまとめられていて、読みやすい本です。なお、白洲次郎氏自身の著した『プリンシプルのない日本』も新潮文庫に入っていて、お勧めです。

【白洲次郎の略歴】
1902年(明治35年)生まれ。兵庫県の高級住宅地・芦屋で、実業家の次男として生を受ける。旧制の神戸一中(現:神戸高校)卒業。その後、英国ケンブリッジ大学に留学する。しかし、彼が英国にいる間に、恐慌の余波を受けて実家が倒産。裕福であった実家が零落したことで、英国での生活には苦労があったはずであるが、詳細は不明。日本に帰国したのち、英字新聞記者、商社員を経て、昭和18年には東京町田の鶴川(小田急線の鶴川です)で百姓を始める。これは日本の敗戦による食糧難を予想したためで、実に見事な変身だった。敗戦後、吉田茂に請われて終戦連絡中央事務局参与となる。日本国憲法の成立にかかわり、貿易庁長官に就任する。ここで、のちの通商産業省(旧通産省)を立ち上げるために奮闘する。以後、東北電力の会長を務め、1985年に逝去。

★本書は在庫ありです。全国各地の書店・オンライン書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●生きるということ

 エーリッヒ・フロム著/佐野哲郎訳 (紀伊國屋書店刊)既刊 税込定価 1,427円

きわめて著名な心理学者であるエーリヒ・フロム〔Erich Fromm〕の著書です。ここで簡単に、彼の略歴を紹介しておきます。彼は1900年、フランクフルトのユダヤ系ドイツ人の家庭に生まれます。ドイツで成長して、社会心理学、哲学、精神分析学を学び、有名なハイデルベルグ大学ではヤスパースの指導も受けています。
その後、フランクフルト大学の精神分析研究所で講師を務めますが、ユダヤ系であった彼はナチスの台頭から逃れざるを得ず、1934年に彼は仲間とともに米国へ亡命(この時期、実に多くの優秀なユダヤ系頭脳がドイツを去るのです)。米国では名門エール大学をはじめとして、各大学を渡り歩きました。彼の特徴は、彼の属した学派を「フロイト左派」と呼ぶくらい、マルクス主義に近づいていたことです。これは心理学のフロムに限らず、同時代のユダヤ系ドイツ人には多く見られる傾向で、哲学者のヘルベルト・マルクーゼ〔Herbert Marcuse〕もドイツを出て米国に渡り、カリフォルニア大学等で教授を務めました。彼はヘーゲル、マルクスの弁証法を研究(主要な著書:邦題『エロス的文明』)して、60年代の思想状況に大きな影響を与えました。
さて、本書の元タイトルは『To have or to be』というものです。フロムは、資本主義のもとで「have=持つ(所有する)」という単語が、人々の日常生活のなかで大きな位置を占めるに至ったことを示します。日常生活のなかで「have」の地位が上昇し、《生きること=have(所有すること)》の傾向がどんどん強まっていると警告します。すなわち、人々の生きる目的が《所有すること》に比重を置くようになっていて、本来の〔生きる〕意味である《to be=存在すること》《自分自身であること》ではなくなってしまったのではないかという意味です。
まさに言われて初めて…の感があります。実は、ホメオパシーでも「自分の人生」を生きることの大切さが指摘されます。ホメオパシーによって本来の自分を取り戻し、本来の自分の人生を生きることによって、自身のバイタルフォースはフル回転します。それによって、この大宇宙のなかで「自分」という「たった一つの生命」を授かった意義を知ることができる…そう考えます。まさにフロムは、本書で私たちに「生きること」の意味を考える材料を提供していると言えるでしょう。

【エーリッヒ・フロムの著書】
 
日本語版のあるもの:

『悪について』『愛するということ』『自由からの逃走 <新版>』『よりよく生きるということ』『人間における自由』『フロイトを超えて』『疑惑と行動 <マルクスとフロイトとわたし>』『夢の精神分析 <忘れられた言語>』『破壊-合本-人間性の解剖』ほか

★本書は在庫ありです。全国各地の書店・オンライン書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●ホメオパシー海外選書 動物の本質 -ルドルフ・シュタイナーの動物進化論-

 カール・ケーニッヒ著 A5判並製〔208頁〕 税込定価 2,100円 

シュタイナー哲学の立場から、ネオ・ダーウィズムに代表される「正統派」進化論に異を唱えたケーニッヒ博士の1963年の講演記録をまとめたものです。発生学者であり、医師でもあったケーニッヒは、講演家としても有名な人でした。そして何よりも彼は、常に弱い立場で生きる相手に目を向ける人でした。欧米で「キャンプヒル運動」として知られる治療コミュニティを世界各地に設立することにも貢献。
そのケーニッヒ博士は、当然ですが、人間と共に地球上に生きる動物たちにも思いやりをもっていました。決して自然淘汰や適者生存の視点だけで、地球上に生きる動物たちの存在を理解することはなかったのです。ですから本書は、動物と人間との互いの分かちがたい運命に思いを馳せ、動物たちに対する深い理解と敬意をもつことを当然と考える立場で語られる、動物進化の歴史です。それは動物の本質に鋭く迫り、しかも肩の凝らない言葉で語りかけて来ます。レメディーの本質を知る上でも、動物進化の本当の歴史を知ることは絶対に欠かせません。待望の日本語訳ですので、ぜひご一読を。

★本書は在庫ありです。BOOKSコーナーの「ホメオパシー出版の書籍取り扱い書店」でお求めになるか、アマゾン・セブンアンドワイ・楽天などのオンライン書店でご購入ください。また、東京(渋谷区初台・代々木上原<本社内>)・大阪(吹田市垂水町)・福岡(中央区平和)のホメオパシーブックスをご利用ください。

●ホメオパシー出版  http://www.homoeopathy-books.co.jp/


◆ホメオパシー関連書籍の売行き(税込価格)

 
〔2006年4月〜2006年6月の3か月間:出荷ベース〕

1位「ホメオパシー in Japan <第3版> 基本36レメディー」1,575円
2位「由井寅子のホメオパシーガイドブックB キッズ・トラウマ <改訂第3版>」1,680円
3位「由井寅子のホメオパシー入門 <一般講演録>」1,050円
4位「由井寅子のホメオパシーガイドブックDバイタル・エレメント」1,575円
5位「由井寅子の予防接種と医原病入門 <キッズ・トラウマ基礎セミナー録出>」1,365円
6位「実用ホメオパシー <医師のホメオパスによる自己治療のための安全なガイド>」1,785円
7位「動物の本質 <ルドルフ・シュタイナーの動物進化論>」2,100円
8位「真の医学の再発見 <ホメオパシーの新たな地平線>」2,625円
9位「ホメオパシーの手引きI 小児病」945円
10位「由井寅子のホメオパシーガイドブックAバース(出産)」1,470円


◇美と歴史にふれる◇


●国宝 鑑真和上展

 2006年8月20日(日)まで、札幌市の北海道立近代美術館にて開催

会場住所:札幌市中央区北1条西17丁目(Tel:011-644-6881)
本展のテレホンサービス:011-612-7000

アクセス:市営地下鉄東西線「西18丁目駅」下車 4番出口から徒歩約5分
    :JRバス・中央バス「道立近代美術館前」下車

開館時間:午前9時30分〜午後5時(入場は午後4時30分まで)
     なお金曜日は、午前9時30分〜午後7時30分(入場は午後7時まで)

休館日:月曜日 ※ただし7月17日(月)は開館し、翌18日(火)が休館となります。

1998年に世界文化遺産に登録された唐招提寺。誰もが知るように、唐招提寺は、当時の唐から来日を果たした僧の鑑真和上によって創建されました(759年)。その主な伽藍のなかでも「金堂」は貴重なものです。なぜなら金堂は、天平時代唯一の遺構だからです。しかし今、金堂は平成の解体大修理中で、平成21年までは拝観できない予定です。
そこで本展では、唐招提寺「金堂」の平成大修理に当たり、唐招提寺の歴史的意味と、当時の円熟した唐文化の影響を受けて花開いた天平時代の仏教美術を紹介します。その内容は…8世紀に制作された日本最古の肖像彫刻(国宝/鑑真和上坐像)を中心にして、国宝26点、重要文化財67点など、130点以上が一堂に公開されます。

【鑑真和上とは?】
鑑真はもともと「律宗」の僧である(律宗とは=僧尼が遵守すべき戒律を研究する宗派)。日本に来る前は、鑑真は唐の揚州大明寺の僧であった。しかし55歳のとき(当時なら初老といえる年齢)、日本に真の仏教戒律を伝えるために渡海を決意する。これは当時の日本で、僧たちが正統的な戒律を学ぶ機会がない現状を日本からの派遣僧たちに聞いたからである。彼は最初、弟子の誰かを日本に行かせようと考えたようだが、希望者がいないため自ら乗り出したともいう。結局5度も渡航に失敗して(鑑真の出国をいやがる弟子による密告があった)、漂流して南方に流された際に目を悪くしたようで、最後には両眼を失明することになった。しかし6度目の渡航に成功し、やっと日本の土を踏んだ。754年に奈良に入り、聖武天皇以下400余人に戒律を授けた。その後、新田部親王の旧宅跡に土地を下賜されて、自力で建てたのがこの唐招提寺である。なお鑑真は薬草の知識にも明るく、医学の知識を広めた。また、貧民救済にも力を尽くしたという。彼の人生を知るには『唐大和上東征伝』という書物がのこされている。

<参考サイト>

北海道立近代美術館
http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/index.html


●黄金のリュトン 世界遺産ペルセポリスの栄華 -ペルシャ文明展-

  
  <煌めく7000年の至宝>

会場住所:東京都台東区上野公園8-36
     東京都美術館企画展示室

アクセス:JR「上野駅」公園口から徒歩約7分
     京成電鉄「上野駅」から徒歩約8分
     東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口から徒歩約10分

開室時間:午前9時〜午後5時(入室は閉室の30分前まで)

休室日:月曜(ただし、9月18日は開室し、19日は休室です)
お問い合わせ:ハローダイヤル(Tel:03-5777-8600)
駐車場:車を利用される方は、上野公園周辺の駐車場をご利用ください。

私たち日本人には「ペルシャ」という言葉を聞くと、すぐに思い浮かぶものがあります。ペルシャ絨毯やペルシャ猫、世界史の教科書に出てくるアケメネス朝ペルシャ帝国、ササン朝ペルシャ帝国など。そのアケメネス朝の王ダリウス3世は、アレクサンダー大王と戦ったことでも有名です。…補足《ペルシャ猫はペルシャとは関係がないのです(猫の名前と原産地は関係がないことが多い)》。とにかく、ペルシャ〜イランは古い歴史のある国であって、今は巨大な産油国として日本と関係が深く、サッカーではアジア地域におけるライバルです(現在の正式国名は「イラン・イスラム共和国」)。
さて本展は、約50年ぶりとなる本格的なペルシャ文明展覧会です。それも、ペルシャ帝国の絢爛豪華な時代だけでなく、さらに歴史を遡って先史時代の文物が紹介されます=紀元前3,500年ごろのエラム文明から、アケメネス朝ペルシャ時代を経て、7世紀のササン朝ペルシャ時代まで=ですから、まさに古代ペルシャ文明発祥の地が生んだ土器(新石器時代の彩文土器)から帝国時代の金銀製の宝飾品までを一堂に集めた、まことに貴重な機会なのです。たとえば、出展されているものは、動物形土器、銀製円盤、有翼ライオンの黄金のリュトン、黄金のマスク、黄金の杯、黄金の短剣など、何かと黄金シリーズが並びます。アケメネス朝の当時「世界の都」と称されたペルセポリスの繁栄も偲ばれるというものです。
半世紀ぶりの展覧会ですから、これを逃すと次は今世紀なかば(?)かもしれません。なお本展覧会は、東京会場終了後に全国を巡回します。

☆巡回情報 2006年10月13日〜12月10日:愛知県美術館
      2007年2月6日〜3月25日:北海道立近代美術館
           4月13日〜6月17日:福岡市博物館
           7月11日〜9月17日:大阪歴史博物館

 ※詳細は各会場のホームページでご確認ください。

<参考サイト>

朝日新聞社の展覧会サイト

http://www.asahi.com/persia/

 

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