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面白本と美術館・博物館
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◇本を読んで賢くなる◇

このコーナーは、みなさんに「こんな本を読んだらどうか?」というおせっかいな記事を掲載します。ジャンルには特にこだわらず、新刊・既刊にもこだわらず、本屋さんに行けば手に入る本、図書館で借りることができる本を取り上げます。


●医者と患者でつくったガン治療入門

 土屋 繁裕/関根 進 共著(NTT出版刊)既刊 税込定価 2,310円

ガン治療に関する書物は山ほど出版されていますが、本書の特徴は、医師と患者が共同して編集しているということです。作り方としても、本書は単にガンに関する知識の解説をしているのでもなく、病院のランキング付けをしているのでもありません。

一般人にとって、すなわち医療機関や研究所などで働いているわけではない、患者の側に近い私たち国民にとって、ガン医療の現場では日々刻々と新治療技術や新薬が生み出されているようなイメージがあります。そしてどうしても、新しい医療技術や薬剤に関心が向いてしまうのも事実です。
しかし実際にガンを患い、苦しい闘病を続けている人にとって、何よりも大切な情報は「自分はどのような治療を受けるべきか?」ということでしょう。それが最新の治療法であろうと、はたまた古典的な治療法であろうと、代替療法であろうと、自分にとって「いちばん適した治療」の情報こそ重要なはずです。
そう考えると、まず、ガン治療にはどんな方法があって、それぞれにどのような長所・短所があるのか? また、それぞれの治療法はどんなタイプのガンに有効なのか? ガンの進行度(ステージ)との関係で、その時点で選択可能なものはどれか? そのような情報がぜひ必要なはずです。

すると本書こそは、ガンと闘う患者さんや、その家族・友人といった人々にとって、まさに治療法を知るためのハンドブックと呼べるものです。また、患者の立場から作られた「ガン患者のための治療ガイド」とも表現できるでしょう。ドクハラ撲滅を提唱した一外科医と、ガンと闘い続けてきた患者の代表が、共同して作り上げた1冊です。ホメオパシーなどの代替医療にも言及されていて、広い視野からガン医療を知ることができます。

【本書の構成】

第1講 真っ先に読んでください!
    間違いだらけのガン治療選び
     患者と医者の一問一答 ガンとは何か?/抗ガン剤の効果とは?/名医を見分けるには?/病院選びの十カ条とは?/セカンドオピニオンを上手に受けるには?/「余命三カ月」といわれたら?/他

第2講 早分かり!「命の治療手帳」
    ガン<種類別>治療の手引き・・・土屋繁裕
     切るべきか、切らざるべきか/休眠療法−ガンを“抑える”という新発想/四大ガン! 肺ガン・胃ガン・大腸ガン・肝臓ガン/女性特有のガン/男性特有のガン/他

第3講 ガン治療は合わせワザ!
    代替療法・健康食品の選び方・・・関根 進
     食事療法/ホリスティック療法/免疫療法/漢方薬療法/その他のユニークな代替療法/健康食品/スローヘルスのすすめ/他

第4講 命のリストを患者が作ろう!
    命の患者手帳と命の家計簿・・・スローヘルス研究会
     「ガン患者は自分のカルテ」と「医療費家計簿」を作ろう/ドクハラ医者を見抜く質問事項十カ条/他

★本書は在庫ありです。書店やWeb書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●偉大なる道 -朱徳の生涯とその時代-(上)(下)
 原書タイトル:Great Road the Life and Times of Chu Teh

 アグネス・スメドレー 著/阿部知二 訳(岩波書店刊・岩波文庫)既刊(重版出来)税込定価 (上)840円 (下)798円

著者アグネス・スメドレー(Agnes Smedley)は、アメリカ人の女流ジャーナリスト。米国出身の彼女が、人民解放軍の生みの親であり、新中国で初の元帥となった朱徳(1886〜1976)の生涯を、朱徳自身へのインタビューや独自の取材からまとめあげたものです。
さて日本では現在、よくも悪くも中国に関して、中国経済の発展や日中間の外交行き詰まりの話題しかありません。エリート・ビジネスマンは中国経済の今後に注目する反面、経済問題に疎いフリーターの若者は、中国に対して嫌悪感をもつだけという「皮肉な」情況に至っています。歴史的な関心事も中国指導者の個人評価に偏り、毛沢東は「悪」で周恩来は「善」という、単純なイメージがあるくらいです。
しかし中国革命は、中国共産党だけががんばったわけでもなく、また中国共産党内部にもさまざまなリーダーが存在しており、最終的には内戦で敗れた中国国民党も、日本軍との戦いではそれなりの役割を果たしたことを、隣人としては知っておくべきでしょう。
*かつて「進歩派」と言われた日本人は、やたらと自国文化を卑下し、外国を賛美する過ちを犯しました。しかし今「保守派」と呼ばれる日本人は、やたらと外国を蔑視することで、まったく逆の誤りを犯そうとしているかのようです。どちらにしても極端な立場であり、バランス感覚の欠如を感じさせます。

たしかに、中国は今世紀中には「世界最大の経済大国」になる可能性が高く、同じように発展を続ける南アジアの超大国インド(今世紀中に世界第3位の予想。第2位は米国)の存在もあって、明治以降は「日本がアジアで一番」と思い込んでいられた日本人にはかなり居心地の悪い感じが出てきているようです。しかも、日本国民がこぞって蔑視してきた「アジア」の眠れる二大国の復活です。欧米崇拝の気風が強い日本で、特に将来不安の強い若い層に、言いようのない不安と焦りを感じさせているのかもしれません。
実際問題として、すぐ隣に「超大国」が存在することは、外交面や軍事面での複雑なアプローチが必要になるでしょう。かつて中国王朝(中華帝国)が巨大で、日本はちっぽけな途上国であった時代は、議論するまでもなく「遣唐使」などを派遣していればよかったわけです。しかし、日本もサミットに参加するような大国になっている現在では、まったく事情が違います。比較的によく似た関係が最近あるとすると、たとえば「旧ソ連」と「西ドイツ」の関係でしょうか?
ともあれ、現在の中国を理解するために必要な革命期(辛亥革命から国共内戦を経て中華人民共和国成立まで)に関する理解は、日本ではほとんどされていません。そこで、その歴史を知るためには本書がお勧めなのです。なぜなら本書は、まさに第一級の歴史ノンフィクションになっているからです。

四川省の貧農の家に生まれた朱徳には、幸運にも彼を可愛がってくれる伯父がいました。朱徳は、本来であれば学校に進むことなど考えられないような貧しい境遇でしたが、彼の資質をいち早く見抜いた伯父は、彼を一農夫にすることはありませんでした。結論から言えば、朱徳は地主の息子らにまじって勉学を続け、あの難関「科挙」試験にも合格します。こうなると、彼は一族の希望の星です。これで普通に「役人」になって、袖の裏で「しっかり儲けて」くれれば・・・と、周りの誰もが考えたでしょう。
しかし朱徳は、雲南省の士官学校に入校して、軍人への道を進みました。それを知った家族は、みな悲嘆にくれたのです。当時の中国では「職業軍人」などというのはまともな職業とは考えられていませんでした。要するに、軍閥のボスに仕える家来になることだったからです。でも、人生はやはり何が幸いするか知れません。
彼はその後、中国国民党に入党。国民党軍の一指揮官としてぐんぐん頭角を現して行き(さらに国民党の党員でありながら、共産党にも入党)、抗日戦の時期には、紅軍の最高指揮官の一人として大活躍します。・・・あとは本書を読んでください。
なお、著者スメドレーは、マッカーシズムの吹き荒れる不幸な時代に遭遇し、祖国米国を出てロンドンで客死(1950年)。それでも彼女は、常にこの本の原稿を持ち歩き、最後まで推敲を続けていたといいます。

★本書は在庫ありです。書店やWeb書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


●石原莞爾 -「満洲国」建国を演出した陸軍参謀-

 楠木誠一郎 著(PHP出版社刊・PHP文庫)既刊 税込定価 720円

昭和期の軍人でありながら、戦後も人気のある不思議な人物・石原莞爾。海軍の山本五十六元帥(連合艦隊司令長官として戦死)らとともに、国民を泥沼の戦争に導いた「悪い軍人」というイメージのない軍人です。
なぜ彼が今でも人気を保っているのか? それにはいくつかの理由があるようですが、最も大きな理由は「彼は大きな哲学をもっていた」ということのようです。実際に彼自身、戦後になって日本に進駐してきた連合軍の係官に「東條(英機)には哲学は何もなかった。自分には少しはあった」と語ったといいますから、彼としてもとりあえず「哲学者」を自負していたようです。
 (注)石原莞爾の「哲学」がどういうものか、それを知りたい方は、現在でも手に入る彼の著書『世界最終戦論』や『戦争史大観』などを読んでください(Web上でもいろいろ掲載されています)。

石原莞爾は、純粋な職業軍人の経歴をもっています。山形県の鶴岡出身であった彼は、仙台陸軍幼年学校から東京の陸軍士官学校に進み、優秀な成績を収めます。当然、将来の省部エリートとなるべく陸軍大学に入学。そこでも、周りの秀才たちが腰を抜かすほど優秀だったようです。ただし、品行方性ではなかったようで、彼には常に「変人」というレッテルがついて回っていたということです。このあたり、陸軍の「秀才」として優等生的な生き方をしていた東條英機氏(陸軍大将・首相・A級戦犯)と、まったく違った方向性を示します。
また、日蓮宗の熱心な信者であったことが、彼の人生観や戦争観にも大きく影響していると言われますが、こういった信仰心も、当時の軍人にはめずらしいものです。
さて石原氏は、将来の来るべき「最終戦争」は、世界史上で最後となる大戦争であり、西欧文明の覇者・米国と東洋文明の覇者・日本との間で戦われると考えました。この戦争に備えるため、満蒙(中国東北部と内モンゴルの地域)に「独立国家」満州国を建設して、それを日本への原料供給地とすることを考えました。また同時に、満州国を工業化して大きく発展させることも夢見ていました。
すなわち彼は、その満州国を『五族協和』と『王道楽土』の新天地として築き上げ、東アジアの各民族が一つとなって米国との「最終戦争-持久戦」を戦い抜くための「後方陣地」にする構想を練っていたのです(満蒙領有化構想)。
そして実際に彼は、関東軍参謀として大陸に渡り、関東軍司令官・本庄繁や関東軍参謀長・板垣征四郎らを影で動かしていきます。

・・・このように石原氏の生涯は、途中までは遮るものとて何もない洋々たるものでした。しかし、日中戦争の勃発と拡大によって、彼の軍人としての人生は暗転します。もともと日中戦争に反対の立場であった石原氏らのグループは、陸軍内部で日中戦争拡大を唱える東條英機らのグループ(「統制派」と呼ばれることもある)と対立し、敗北します。同様にドイツでも、対ソ連開戦に反対したドイツ軍内の国防軍グループは敗北しました。それで石原氏らは結局、ずるずる拡大する日中戦争を止めることができませんでした。その後、石原中将は予備役編入となり、軍の一線から去るのです。
戦後の彼は、昭和期の陸軍軍人とも思えないような生き方をします。連合軍の尋問に『なぜ自分は戦犯として裁かれないのか?』と問い返し、さらに『非武装』と『戦争放棄』を唱えます。とにかく、同時期の他の軍人とはまったく異質な人物であり、彼が今生きていたなら、IT企業の経営者だったかもしれませんし、芸術家だったかもしれません。
本書は、石原莞爾「入門」ともいえる文庫本ですので、読みやすい1冊としてお勧めです。なお著者は小説家で、『名探偵夏目漱石の事件簿』によって第8回「日本文芸家クラブ大賞」を受賞しています。

<本書の構成>

第1章 満洲事変前夜 
第2章 柳条湖事件 
第3章 越境将軍 
第4章 錦州爆撃 
第5章 チチハル攻撃 
第6章 錦州占領 
第7章 満洲建国 

参考サイト:石原莞爾平和思想研究会
http://members.jcom.home.ne.jp/taku-nakajo/ishiwara2.htm

★本書は在庫ありです。書店やWeb書店でお求めになるか、図書館で借りてください!


○アニマルホメオパシー海外選書

◆犬のためのホメオパシー <犬の病気別ホメオパシーレメディーの詳説>

 ジョージ・マクラウド 著/由井寅子 日本語版監修/塚田幸三 訳(ホメオパシー出版刊) 新刊 税込定価 2,310円

◆猫のためのホメオパシー <猫の病気別ホメオパシーレメディーの詳説>

 ジョージ・マクラウド 著/由井寅子 日本語版監修/塚田幸三 訳(ホメオパシー出版刊) 新刊 税込定価 1,785円
 
今、ペットをはじめ、動物たちへの新しい療法が注目を集めています。鍼やマッサージ、そしてホメオパシー。特にホメオパシー療法は、英国などで実際に動物診療に取り入れられ、大きな成果を上げてきた実績があります。
しかし残念ながら、わが国ではこれまで犬や猫など小動物に対するホメオパシー療法に関して、具体的に記述された専門書は少なく、それだけに、犬や猫のためのホメオパシーについて解説された実務書が、多くのペット愛好家から望まれていました。
本書は、犬や猫の一般的病態について詳細に記述されていて、ペットオーナーの方に大いに役立てていただける内容となっています。弊社既刊『ペットのためのホメオパシー』の中身をさらに詳しくした、まさに続編と呼べる書籍ですので、ぜひお薦めします。

★本書は在庫ありです。BOOKSコーナーの「ホメオパシー出版の書籍取り扱い書店」でお求めになるか、Web書店でご購入ください。また、東京(渋谷区初台・代々木上原<本社内>)・大阪(吹田市垂水町)・福岡(中央区平和)のホメオパシーブックスをご利用ください。


●ホメオパシー出版  http://www.homoeopathy-books.co.jp/


◆ホメオパシー出版の売行き好調書籍ご案内(税込価格)
 
〔2005年8月〜2006年1月の6か月間:出荷ベース〕

1位「ホメオパシー in Japan <第3版> 基本36レメディー」1,575円
2位「由井寅子のホメオパシーガイドブックB キッズ・トラウマ <改訂第3版>」1,680円
3位「由井寅子の予防接種と医原病入門 <キッズ・トラウマ基礎セミナー録出>」1,365円
4位「由井寅子のホメオパシー入門 <一般講演録>」1,050円
5位「由井寅子のホメオパシーガイドブックDバイタル・エレメント」1,575円
6位「ホメオパシーの手引きJ 歯 」1,260円
7位「由井寅子のホメオパシーガイドブックAバース(出産)」1,470円
8位「ワクチノーシス <ワクチン病(予防接種病)のスーヤによる治療とホメオパシーによる病気の予防法について>」1,365円
9位「ペットのためのホメオパシー <ペットオーナーと専門家のための理論と実践>」2,940円
10位「実用ホメオパシー <医師のホメオパスによる自己治療のための安全なガイド>」1,785円


◇美と歴史にふれる◇


●偉大なる「エルミタージュ美術館」展 −魅惑の秘蔵コレクション−
 
  フランドル絵画とヨーロッパ工芸の精華

 The State Hermitage Museum Exhibition −The Fascinating Treasured Collection−
  The 17th Flemish Painting and the European Handicrafts

 2006年1月27日(金)から4月2日(日)まで広島県立美術館にて開催

会場住所:広島市中区上幟町2-22
アクセス:市内電車・バスは「縮景園前(しゅっけいえんまえ)」下車
    :JR広島駅より約1km
開館時間:午前9時〜午後5時 土曜日は午後7時まで開館(ただし、入館は閉館30分前まで)
休刊日:月曜日 連絡先:082-221-6246

ロシアのサンクト・ペテルブルクにあるエルミタージュ美術館は、その所蔵品の質・量ともに、パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館と肩を並べる「世界三大美術館」の一つです。しかし、エルミタージュはロシア美術の宝庫というより、西欧美術の宝庫というべき美術館のようです(ちなみにロシア美術なら、モスクワの国立トレチャコフ美術館、サンクト・ペテルブルクの国立ロシア美術館など)。ですから今回の広島における展覧会でも、17世紀のフランドル絵画や、17世紀から19世紀にかけてのヨーロッパ各地の工芸品などが展示されます。
よく知られたように、フランドル地方(現在のベルギー北部)では17世紀には商業が相当に発達し、富裕な市民層が形成されていました。彼らは音楽や絵画などの芸術にも大きく貢献したようで、音楽においても美術においても、フランドル(楽)派という言葉が生まれることになったのです。この地方は、すでに中世には毛織物業を中心にして商業が発展、当時はヨーロッパにおける先進地域であったといいます。今でいうならニューヨークのような感じなのでしょうか。
富を得た市民層は、画家に依頼して自分の家族を描かせたり、仲間とともに自分もモデルになったりと、結果として多くの若い芸術家たちに仕事を提供したようです。画家たちはまた、都市の外にも出て、フランドルの農民たちを描きました。そういった絵画には、農村ならではの風習や伝統が色濃く感じられ、貴重な歴史資料にもなっています。都市においても、農村においても、活き活きと躍動しつつあった当時のフランドル(フランダース)の人々の生きざまが、見る者にほのぼのとした親近感を抱かせるようです。

<参考サイト>

広島県立美術館
http://www1.hpam-unet.ocn.ne.jp/

国立エルミタージュ美術館
http://www.hermitagemuseum.org/


●日本の美/三千年の輝き ニューヨーク・バーク・コレクション展

 Enduring Legacy of Japanese Art:The Mary Griggs Burke Collection

 2006年1月24日(火)から3月5日(日)まで東京都美術館にて開催

会場住所:東京都台東区上野公園8−36
アクセス:JR上野駅「公園口」より徒歩7分
    :東京メトロ・京成電鉄 上野駅下車 各徒歩10分
    :駐車場はありません。

開館時間:午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休室日:公募展 第3月曜日(祝日にあたるときは翌日)
   :企画展 毎週月曜日(祝日にあたるときは翌日)
全館休館日:毎月第3月曜日(祝日にあたるときは翌日)

身障者用施設:駐車場、車椅子の貸出、トイレ
       駐車場は事前に要予約(2台)

著名な日本美術収集家である米国人、メアリー・バーク夫人が、半世紀近くの歳月をかけて収集した日本美術のコレクションが里帰りです。このコレクションは、あの有名なニューヨーク・メトロポリタン美術館でも公開されました。
本展では、なんと縄文時代からはじまり、江戸時代に至るまでの日本の作品が公開されますが、内容としては、絵画や彫刻、陶磁器、書や漆工の分野にまで及びます。今回で二度目となる日本での展示会では、近年収集された初めての里帰り作品も含まれます。このように、外国人が集めた日本の作品を、日本人の目で鑑賞するというのも、ひとつ大きな勉強になりそうです。


<参考サイト>

東京都美術館
http://www.tobikan.jp/

ニューヨーク・メトロポリタン美術館
http://www.metmuseum.org/


●プーシキン美術館展 -シチューキン・モロゾフ・コレクション-

 平成18年1月11日(水)から4月2日(日)まで国立国際美術館(大阪市)にて開催

会場住所:大阪市北区中之島4-2-55

アクセス:地下鉄四つ橋線肥後橋駅(3番出口)より西へ-徒歩約10分
     (現在、3番出口は工事中で閉鎖しているため、2番出口をご利用ください)
    :JR大阪駅、阪急梅田駅より南西へ-徒歩約20分
    :JR大阪環状線福島駅、東西線新福島駅(2番出口)より南へ-徒歩約10分
    :阪神福島駅より徒歩約10分
    :地下鉄御堂筋線淀屋橋駅、京阪淀屋橋駅より西へ-徒歩約15分
    :JR大阪駅前より、市バス53号系統で「田蓑橋」下車、南西へ-徒歩約3分
     または88号系統「土佐堀一丁目」下車、 北へ-徒歩約4分

開館時間:午前10時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日が休館です)

本展ではフランス近代絵画の名作、特に印象派の作品が多く展示されます。ですから、ロシアの詩人・プーシキンとは、本展の内容はあまり関係ないのです。  
もともとプーシキン美術館というのは、大詩人プーシキンの生誕100周年を記念して、特別に命名されたということです。美術館に文学畑の人物の名が冠せられるほど、この詩人がロシア人に敬愛されているということでしょう。
ちなみに、プーシキン(1799〜1837)は詩人であると同時に小説家・劇作家であり、ロシア近代文学を確立した人物と言われます。また、決闘によってその生涯を閉じたという人で、実生活ではいかにもロシア貴族のスノッブな一面をもっていたようです。
さて本展では、フランス美術、なかでも近代絵画の分野で名高い作品・・・マティスやモネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソ、アンリ・ルソーなどの作品が展示されます。
しかしなぜ、ロシアの美術館にこれらの逸品が収集されているのでしょうか?

ちなみに、世界の三大美術館の一つとして名高いエルミタージュ美術館(サンクト・ペテルブルク市)は、有名なロシアの女帝・エカテリーナ2世のコレクションを基礎に、膨大な数の西欧の美術品を収集しています。
これに対してプーシキン美術館は、ロシア帝政時代の二大コレクターと言われるシチューキン、モロゾフ両氏のコレクションを受け継いでいるのです。この二人は、パリでフランス近代絵画を熱心に収集したロシア人実業家なのです。
このように、大実業家が芸術作品を収集するのは世界的に共通したことで、日本にも「出光コレクション」や「松方コレクション」などがあります(松方幸次郎氏は川崎造船所社長を努めた人。東京の国立西洋美術館は松方氏のコレクションをもとに創立されたのです)。

ちなみに、シチューキン氏はマティスやピカソが好きだったようで、それに対して、モロゾフ氏はセザンヌやボナールを好んだということです。
彼らは、当時の印象派作家の作品だけではなく、まだしっかりした評価も確立されていなかったフォービスムやキュビスムの作品まで、コレクターの眼で見定めていたのです。
その後の1917年のロシア革命によって、この二人のコレクションは国有財産となりました。1948年にはプーシキン美術館とエルミタージュ美術館とに(モスクワ市とサンクト・ペテルブルク市に)二分して所蔵されることになりました。


<参考サイト>

国立国際美術館のホームページ
http://www.nmao.go.jp/japanese/home.html

プーシキン国立美術館(英語・ロシア語)
http://www.museum.ru/gmii/

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