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食と健康
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体内の毒を出す◇

この世には、私たちのからだにとって「毒になるもの」が多々あります。これは特に異常なことではなく、まあ普通のことです。 例えば、私たちが毎日の食事のなかで知らないうちに摂取する「からだによくないもの」は、一種の毒です。
さらに、病気やけがのときに服用したり注射したりして体内に入れた薬剤は、その場ではとても役に立つにしても、もとは異物ですから「毒」の一面を持ちます。昔から「毒にも薬にもならない」と言われるように、人は薬剤を広い意味で「一種の毒」と考え、その毒の作用をうまく治療に利用しようと考えてきたのでしょう。
するといったい、人間のからだにはどれほどの毒があって、私たちのからだは、それに対してどのように対応しているのでしょうか?


広がりつつある毒の概念

久しい以前から「毒消し」とか「お腹の掃除をする」などという言い方があるように、私たちのご先祖は『人のからだのなかには毒がある』という意識を持っていたようです。
もちろん、毒という概念自体が時代によって異なることはあるでしょう。昔の人たちにとっては、毒というものは多くの場合「口から入る」イメージが強かったと思われます。
なぜなら、昔の人にとって身近な毒は、なんと言っても毒キノコなど、食用に採取したり捕獲した植物・動物に関する毒だったと思われるからです。
キノコは今でも時々中毒患者が出ますが、有名な毒キノコは、テングタケやワライタケなどでしょう。
また動物の方では、たとえば河豚(フグ)の毒は、時代を超えて同じように強烈な毒性を持ち、フグの調理には資格が必要なことはよく知られています。
因みに、魚を食べる場合に生姜(ショウガ)が添えられることが多いのは、虫を殺すため(殺菌・消毒)であって、今も昔と変わりません。もっともこの場合は、毒と言うより「微生物」です。
そうです…、この地球には大昔から微生物がウヨウヨいます。これはもう、人間が生まれるよりズーっと昔から、気が遠くなる昔からいます。
この微生物である細菌やウイルスも、私たち人間に悪さをすることがあるのですから、広い意味では一応「毒」と見なせるかもしれません。
もちろん、昔の人は微生物の存在など知らなかったわけです。それでも「お腹に虫がわく」という言い方で、何らかの小さな悪い虫が食べ物(魚などの生ものなど)に潜んでいると考えていたのでしょう。
(注)悪さをしない微生物もたくさんいます。腸内細菌で「善玉」と呼ばれるものとか、皮膚常在菌とか、結構たくさんいるわけですが、これらについてはここでは深く触れません。
そして現代に生きる私たちには、もっとスケールの大きい毒・・・、すなわち大気や土壌、水の汚染、薬害、多くの有害な化学物質などが待ち構えているのです。
ちょっと考えただけでも、排気ガスの一酸化炭素、二酸化硫黄が頭に浮かびます。一時期いろいろと話題になった環境ホルモン、フッ素化合物、アスベスト、ダイオキシン・・・みんな毒々しい言葉ですね。
そういえば、わざわざ人を殺す目的で作られたや「生物・化学兵器」もあります。あのオウム真理教が東京の地下鉄で撒いたのも、化学兵器のサリンガスです。 このように見て行くと、科学の進歩によって「新しい毒」がどんどん増えていること、人にとっての毒の概念が大きく広がっていることがわかります。科学は進歩しても、道徳は進歩できなかったということでしょうか?
とりあえず、私たちはかなりの「毒」に囲まれて、また、抱え込んで生きているんですね。


肝臓が「毒出し臓器」の中心!

とにかくも、私たちのからだにとって異物であり、良い影響を与えない(からだの役に立たない)ものを「毒」と考えるのは、古今東西にほぼ共通した認識と思われます。
こんな毒は、とりあえず早くからだの外に放り出したいものです。しかもまだ他に、私たちの体内で作られる毒もあるのですが、ご存知でしょうか(体内で作られる毒については、以下をお読みください)。
でも、いくら毒があっても、私たちのからだには『毒出し』のシステムが備えられている!
そこがまた人間の、あるいは生命の偉大さでしょうか。

各内臓の働きは?
誰でも単純に、いらないものやからだに悪いものは、尿や大便などとなって排出されるのではないか、そう考えますね。 たしかに、私たちは排泄のシステムを持っています。例えば腎臓は、血液のろ過を行います。血液中の不要なものを小便(尿)として体外に排出します。
ですから腎臓に機能障害が生じると、どうしても人工透析をして「毒出し」をしなければならないのです。
それに脾臓は、必要がなくなった古い血球(白血球と赤血球)を破壊して処理する役目を果たしますし、肺はといえば、呼吸によって血液中の二酸化酸素を排出し、新たに新鮮な酸素を取り込みます。
また肝臓は、消化器官で吸収した栄養素(タンパク質、糖質、脂質)などの代謝や解毒(薬剤やアルコールなどの分解処理)の役目を果たし、胆汁の生成、さらに造血や血液量調節など、非常に多くの重要な働きをします。

代謝の過程で生まれる毒とは?
私たちが消化器官から摂り入れた栄養素(体内に蓄えられていたものも含めて)を、エネルギーや、体内で利用できるかたちの物質に変換する過程、これが代謝(たいしゃ)と呼ばれます。 例えば、炭水化物は「ブドウ糖(グルコース)」などの糖質に分解されます。糖質は血流に乗って、すなわち血管を通って全身に運ばれて、各組織でエネルギーとして使われます。そのとき、残りカスとして水と二酸化炭素ができるのですが、この二酸化炭素は呼吸によって排出されますし、余分な水は汗や尿に含まれて体外に出されます。
またご存じのように、体内でタンパク質はアミノ酸に分解されます。一旦アミノ酸に分解されても、一部のアミノ酸が肝臓でまたタンパク質に合成されます。タンパク質に合成されなかった分は、アミノ酸として血液でからだの各組織に運ばれて、それぞれの組織のタンパク質になっていきます。それらのタンパク質も順次またアミノ酸に分解されて、新しいタンパク質と入れ替わるのです。 この過程で、用済みとなったアミノ酸から窒素化合物が生まれますが、これは肝臓で尿素に変換されて、腎臓を経由して尿として体外に排出されます。 このように、人が生きていく上で必要なエネルギーを生み出すための工程で、副産物として毒が作られ、うまく排出されているのです。

アルコールの解毒は?
また肝臓は、アルコールや薬剤などの異物を解毒してくれます。たとえば口から入ったアルコール(お酒)は、約20パーセントが胃から吸収され、約80パーセントが小腸から吸収されます。 その後肝臓に運ばれ、アセトアルデヒド、さらにアセテート(酢酸)へと分解されますが、最終的にこれもまた水と二酸化炭素に分解されます。

沈黙の臓器-肝臓は何も言わない
肝臓は非常に大きな臓器ですが、一つしかありません。それに胃のように、すべて摘出しても小腸が代わりになってくれるわけでもありません。とにかく大切な、たった一つの臓器なんです。 その上『沈黙の臓器』と呼ばれるくらい、病気があっても気がつきにくいときています。だから、昔から「肝心要(かなめ)」と言うくらいで、肝臓と心臓に気をつけろということです。 さて、それほど大切な肝臓。前述のようにさまざまな体内毒を分解してくれる肝臓が、もし駄目になったら? もちろん、命にかかわる話にもなるでしょう。そこでやはり、肝臓などの大切な器官が機能不全に陥らないためにも、からだの毒出しが必要ですね!

「小さな腸内細菌」の大きな働き
人間たちから勝手に「善玉菌」とか「悪玉菌」とか区別されて、かなり有名になった『腸内細菌』。実際には、この両者以外に『日和見菌』も存在します。
もちろん、便宜的に3種類に区分されているだけのことで、すべての菌が「心を入れ直し」て「善玉菌」になったからといって、宿主(しゅくしゅ)の人間が元気になるわけではありません。
あくまでバランスがとれていることが大切なのです。そして、私たちの体内(腸管内)に跋扈する腸内細菌はなんと300種類、またその数は、およそ100兆とも言われます。当然、大きな役割があるから存在しているのですが、その役割とは何でしょう?
驚くなかれ、腸内細菌が果たす役割は、次のように実に多いと考えられています。

@免疫力を活性化します 腸内細菌がバランスよく存在することで、私たちの免疫力が活性化されると見られています。
A消化・吸収を助けます 消化酵素と協力して、消化器官で消化できない繊維質を分解。また、タンパク質、糖質をも分解して、消化を助けています。
Bタンパク質の利用を効率的にします 人体を構成する栄養素であるタンパク質の代謝を高めます。
C脂質の代謝を活性化します コレステロールや中性脂肪などの脂質の消化・吸収を助け、さらに過剰な脂質の排泄を促進します。
D有害物質の分解と排泄に関わります さまざまな有害物質、発ガン物質などの分解と排泄に関与します。
Eホルモン産生に関わります ホルモン(副腎皮質ホルモン)の産生に関与します。
Fビタミンを合成します ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸など)を生成・合成します。
G腸内環境を調整し、腸のぜん動運動を活性化します 腸内細菌が生み出す酸によって、腸内のPH値を弱酸性に保ちます。これによって病原菌の増殖を防ぎ、腸を刺激してぜん動運動を活発化させます。
H病原菌や有害菌からの感染を防ぎます 腸内細菌が腸管の内壁に定着していることは、それによって壁面が覆われることになり、侵入した病原菌・有害菌の増殖や感染を防ぐことに役立ちます。したがって、腸内細菌に元気がなければ、食中毒などにもなりやすいわけです。また、ヒト由来の乳酸菌を増殖させ、それによって有害菌の増殖を抑えます。
I各種臓器の機能を活性化します 腸内細菌の存在が、肝臓、腎臓、脳などの機能を活性化させると見られています(たとえば、脳の神経伝達物質を活性化)。
J腸内を浄化します 腸内の宿便、各種不純物、老廃物などを集め、体外に排出します。 もう「○○をします」だらけで、選挙のようですが、このように腸内細菌は、実は私たちの健康維持に決定的に大切な役割を負っています。 それだけに100兆個もの数が体内に居座っているとも言えますし、また『毒出し』の面でも、とても大切な働きがあるということがわかります。 ちなみに、糞便(ウンコ)には腸内細菌が大量に含まれていて、糞便の3分の1から半分近くにも達するようです。これ以外にも、腸の内壁の剥れた残骸(腸の内壁はどんどん新しいものに交代する)も出てきますから、糞便が単に食べ物の残りカスだと思うと、大きな間違いなのです。


さまざまな毒出し法

食材による肝機能強化−シジミ、コンニャクの例
昔から「シジミが肝臓にいい」と言われます。それは、シジミが理想的なタンパク質とビタミンを含んでいるためです。
人間のからだのタンパク質を構成するアミノ酸は約20種類ですが、そのうち体内で合成できないアミノ酸は『必須アミノ酸』と呼ばれます。これらは、食べ物から摂取する必要があるわけです。
人によっては、必須アミノ酸を「サプリメントで補給する」と言うでしょうが、体内への吸収度という観点からすると、食事による摂取がもっとも効率が良いと見られているのです。ですからサプリメントより、まず食事なのです!
さて、シジミに含まれるメチオニンというアミノ酸(必須アミノ酸)は肝臓を強くすると見られており、同じようにシジミに含まれているビタミンB12が、肝臓の機能を活発にすると考えられています。したがって、毒出し(解毒・分解)の機能も強化されるわけです。
また、コンニャクが「からだを掃除してくれる」とよく耳にします。そもそも、コンニャクはご存じのとおりノンカロリー(エネルギー量がゼロまたはそれに近い)食品で、近年はダイエットのためにも用いられます。
とにかく、動物牲タンパク質を多く摂取する現代の食生活では、その過剰分が腸内に残存することもあります。タンパク質の残存物が細菌(いわゆる悪玉菌)の作用によって有害な物質に変化し、なかには発ガン性を持つ物質に変化してしまうケースもありえるのです。
そういうときには、コンニャクが役に立ちます。コンニャクは「腸の砂下ろし」とも言われ、人々に整腸効果が知られていました。すなわちコンニャクには、水溶性のグルコマンナンという食物繊維が含まれています。
このグルコマンナンは、腸内で溶けて他のものを一緒に絡め取るという便利な性質を持っています。たとえば老廃物や、発ガン物質などを絡めて吸着し、排泄するのです。また、腸内で糖質などが過剰に吸収されるのを抑制し、結果として血糖値の上昇を抑えることも期待できます。 このように、コンニャクもまた、毒出しの役割を果たしてくれるのです。

断食による体毒の排出
世界のあちこちで考え出された毒出し法の一つが、いわゆる『断食』です。宗教的上の「修行」として行われるケースもありますが、最近は『プチ断食』などとネーミングされて、主にダイエットや毒出しを目的に「週末断食」するといった人も増えているようです。
とりあえず、1日でも食事量を減らしたりすれば(たとえばリンゴジュースだけ飲むなど)、消化器官を休ませることができます。さらに、余分に摂取して体内に蓄えられているエネルギー(通常は「中性脂肪」として蓄えられ、エネルギーとして使われる)を燃焼させることもできます。
こうして、蓄えていた分が使い果たされたなら、一種の「飢え」の状態になり、そうなると、からだは生きるために全身の不要物を消費しはじめます。からだの代謝力が活性化するのです。
さまざまな臓器でも不要な脂質などが消費され、浄化されていきます。このように、飽食でだぶついた私たちのからだが、断食というショック療法で、力を取り戻すことができるかもしれません。しかし断食に当たっては、個々人の健康状態に応じた注意が必要です。

ホメオパシーにおける毒出しと浄化
ホメオパシー医学には、もともと『マヤズム』と呼ばれる概念が存在するのですが、それはどういうものでしょうか? 由井寅子氏の著書(入門書)のなかから引用してみます。
「ホメオパシーには、マヤズムと呼ばれる病気を作り出す土壌があり、すべての病気は最終的にここから芽を出しているという独特の考えがあります。マヤズムは、さまざまな重病のために先祖から遺伝子が歪んだ形で受け継がれたもので、特定の病気に罹りやすい傾向や、精神的な傾向を支配しています。ホメオパシーで難病奇病が治癒する確率が高いのは、このマヤズムに働きかけることができるからです…(以下略)」【ホメオパシー出版刊 由井寅子著「ホメオパシー in Japan <第3版>基本36レメディー」56頁より引用】
「ホメオパシー医学においては、人間はいくつかの階層が積み重なったものとして捉えられています。いちばん下が、このマヤズム層。その上に根本体質層があり、次に生きていくなかで形成される基本層、その上に病気が乗っかって、その上に薬害がかぶさる型です。現時点でマヤズムには、疥癬、淋病、梅毒、結核、癌マヤズムの五種類があるとされています。でも現代社会ではさまざまな要素がこの階層にまで潜り込んでしまっていまして、予防接種マヤズムや、皆さんが大好きなビタミンAやらのマヤズムとか、いろいろ出てきてしまっているのです」【ホメオパシー出版刊「<ホメオパシー講演録> 由井寅子のホメオパシー入門」66〜67頁より引用】
このように、私たち現代日本人の体内には「薬害」という大きな「毒」もあります。こうした、薬害による毒も含めた体毒を排出する能力、あるいは毒を認識し識別する能力が、一般的にかなり衰えてきたと見られています。
毒を認識する力、異物を認識する力とは、いわゆる免疫力です(免疫系は自然治癒力の柱です)。しかし、現代日本人の異常な潔癖症や薬好きが、かえって免疫力を弱体化させ、自然治癒力全体を弱めているようです。
そのために、世界中で「海外旅行に行ってお腹をこわすのは日本人だけ」と言われる事態になってしまいました。
ホメオパシーは、私たちが本来持つ自然治癒力にレメディーで『気づき』を与えて、それによって本来の自分を取り戻す方法です。体内の毒が多すぎると、速やかに『気づき』が与えられない可能性が出てきます。
ですから、ホメオパシー療法では「体内の毒」を取り去ることが、健康を取り戻すために非常に大切な過程と見なされ、強調されています。

ホメオパシーでは「毒出し」のレメディーが用意されています。
体内毒には Sulphur(=腸)朝と Nux-v(=肝臓)夜で1週間ほどとるのを最初にお勧めしています。もう少し本格的に毒出ししようと思ったら、「浄化活性セット」をお薦めします。このなかには、SulphurとNux-vomicaも含まれており、腎臓や肝臓の排毒に関係する臓器をサポートするレメディーがセットになっています。昨今増加しているアレルギー体質も体に毒が溜まりすぎた結果として、免疫力が低下した結果と考えることもできるでしょう。本格的に毒出ししようと思ったらホメオパス(ホメオパシー療法家)へのご相談をお勧めします。

ホメオパシージャパンのサイト(Goods guidance:商品案内をご覧下さい)  http://www.homoeopathy.co.jp/

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