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食と環境
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◇水銀の毒と胎児・幼児

今回は主に、妊娠している方、その可能性のある方と『水銀』との関係がテーマです。
ご存じの通り、胎児や授乳中の幼児は、自分が成長するための栄養を母親から直接受け取ります。したがって、お母さんが何を食べて、また何を飲んでいるかが、胎児や幼児のからだに大きな影響を与えます。
たとえば、お母さんのお腹のなかにいる子供(胎児)、お母さんのお乳を飲んでいる子供、この子達は、お母さんがお酒を飲んだりタバコを吸ったり、またはある種の薬剤を常用していると、マイナスの影響を受けるといわれます。それはもちろん、単なる「噂」ではなく、科学的な調査によって明らかにされつつあることです。
実際に、医療用薬剤の「添付文書」(医療関係者向けの説明書)にも、市販用薬剤(OTC)の説明書にも、妊娠中や妊娠の可能性のある方には「処方してはいけない」とか「処方に注意を要する」云々という主旨のことが書かれているケースがかなりあります。
そこで、以下では「胎児と幼児をとりまく環境」として、環境全体からみれば一部分に属するテーマではありますが、水銀の毒について考えてみます。


●摂取量の安全基準を見直し

しかし、なぜ今この時期に「水銀」なのだろう・・・? そう感じる方もあるでしょう。結論からいうと、厚生労働省の審議会が今回(2005年8月12日)、魚介類など(「鯨類=哺乳類」も含む)に含まれる水銀の安全性基準を見直して、この秋にも『注意事項』のかたちで都道府県に通知することになったからです。
魚介類などに残留する水銀による生体への影響、特にハイリスク・グループと予想される「胎児」や「幼児」への影響は、国際的にも調査・研究が進められてきました。
何しろ魚介類には、食物連鎖を通じてさまざまな有毒物質が蓄積されます。人が海に流した毒が、魚や貝類の体内に溜まってしまうのです。
わが国の厚生労働省では、その「諮問機関」である「薬事・食品衛生審議会」の「食品衛生分科会乳肉水産食品・毒性合同部会」が、2003年6月3日に『水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項』を関係方面に通知しています(参考サイト:厚生労働省>食品安全情報 <後掲>を参照)。
ところで、この「審議会」というのは、いろいろなニュースに出てきますし、さまざまな文書にその名称が印字されているのを見出しますが、いったい何でしょうか。

《審議会とは?》
これは、行政機関がさまざまな政策の立案に当たって、当該方面の有識者や権威者(大新聞社の幹部や学者など)や関係者(当該の業界にいる人など、利害関係者)から意見を聞いて、方向性を定めるために設置される諮問機関です。
もちろん、多くの場合は単にバラバラに人を集めるのではありません。政策立案(具体的には法案化など)のために審議会の多数意見を「反映」させるわけですから、逆に言うと、最初からある方向の(特定の)意見をもった人達が集められるということも、無きにしも非ずというのが現実です。
そして、行政機関(たとえば経済産業省とか厚生労働省)に『答申』するというかたちで、場合によっては「ある方向性」にお墨付きを与える役割を果たします。

【デンマークのファロイ諸島での調査】
たとえば、外国における調査の一例が、デンマークにあります。ファロイ諸島という、漁業の盛んな地域での調査です(当然、地元の人達は魚介類の摂取量も多い)。デンマークは、ドイツの北に位置する国で、北海とバルト海に囲まれています。周囲には工業国が多く、海洋汚染が進んでいると見られていました。
ここで、1986〜1987年に生まれた子供達の知能や神経の発達について、調査・研究が行われました《特に、有機水銀(メチル水銀)とPCBの汚染に関して》。
その結果として、母親の毛髪中に含まれる「水銀量」が多いほど、その子供に異常が表れる可能性が高いということです。

さて、前回の2003年6月に通知された『水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項』では、妊娠している方又はその可能性のある方について、バンドウイルカ・マッコウクジラ・サメ(筋肉)などとともに、メカジキ・キンメダイの摂取量についても注意を呼びかけました。
たとえば、メカジキ・キンメダイについては、1回60〜80グラムの摂取として、週2回以下にすることが望ましい・・・と通知されました〔なお、イルカ、クジラなどの基準は、厚生労働省のサイト(参考サイト)でご確認ください〕。
ただし、マグロ類は一度に食べる量が少ないなどの理由から、注意事項に盛り込むことは見送られていました。
◎あくまで「妊娠している方又はその可能性のある方について」の基準です。

さて、気になるのは「新しい基準」です。今秋にも通知される「新しい基準」では、平均的な1回分の摂取量を80グラム(刺し身1人前程度)とした場合に、クロマグロ(本マグロ)・メバチマグロは、週1回まで。ミナミマグロ(インドマグロ)は週2回まで。
そして、マグロやツナの缶詰などに関しては、特段の注意は必要なし・・・という内容になるようです。また、キダイ・クロムツなども、週2回までと、盛り込まれる見込み・・・。


●魚介類に蓄積された水銀

かつて、水銀による海の汚染が大きな公害病である<水俣病>を引き起こし、多数の死者と患者を生み出したことは、多くの方がご存じのはずです。
犠牲となった人達は、有機水銀(メチル水銀)で汚染された魚介類を食べ、発症しました。彼らはまさに、人生そのものを失う結果となりました。その被害の悲惨さは、今でも写真集や記録フィルムとして見ることができます。そして人間以外にも、地元の魚を食べた猫などが犠牲になっています。
水俣病とは、自然界の「食物連鎖」のなかで、有機水銀が魚介類の体内に非常に高い濃度で蓄積され、その魚介類を食べた地域の住民達が「有機水銀中毒」になったものです。
そして、母親が「有機水銀中毒」の場合には、臍帯をとおして、水銀が「胎児」の脳を傷害しました。生まれた子供は「胎児性水俣病(先天性メチル水銀中毒症)」となったのです。
なお、水俣病の臨床症状には、言語障害、知覚障害、聴力障害、視野狭窄、運動障害などがあったとされます。

【水俣病の患者数】
水俣病の公式患者数は、以下のとおりです。

・認定患者2,262人
・非認定患者10,353人
 合計 12,615人


●毒出しで元気なカラダを取り戻す

このように、胎児や授乳中の幼児は、母親の食生活からきわめて大きな影響を受けていきます。
今回の「魚介類」に関する摂取基準の見直しは、あくまでも「妊娠中の女性又はその可能性のある女性」に対するものですし、魚介類が「良質なタンパク源」であることに変わりはありません。そしてまた、魚介類以外にも有害物質が蓄積されるケースは多くあるでしょう。

こういった環境下で今、いわゆる《毒出し》が注目を集めています。それこそ世界中で、多くの人々が創意工夫して《毒出し》を試みています。
プチ断食、菜食主義、有機栽培、スローフード運動・・・、いろいろなものが、からだの浄化(同時に、精神の浄化)というキーワードにかかわっていると思われます。そして、ホメオパシーにおいても《毒出し》は重要なキーワードです。
ホメオパシーでは、さまざまな毒(重金属、予防接種、その他・・・の毒)が人々の生命力を弱め、われわれの本来の生き方を歪めていると考えます。まず、浄化への第一歩を、ホメオパシーで始めてみませんか?

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現代人は、有毒物質の害、薬害、手術の害、麻酔の害・・・など、多くの害毒を体内に抱え込んでいると、ホメオパシーでは考えます。
※薬害などが酷い方や虚弱な方のために、ソフトタイプもあります。

○ホメオパシージャパンの商品ガイドをご覧ください。

http://homoeopathy.co.jp/


参考サイト

厚生労働省>食品安全情報>緊急情報
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/index.html

平成15年6月の「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」について(Q&A)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/06/tp0613-1.html

d-inf>他では聞けないくすりのはなし>妊婦と薬
http://d-inf.org/index.html

発掘! やくやく大事典
http://medicine.cug.net/index.htm

国立水俣病情報センター(環境省)
http://www.nimd.go.jp/archives/index.html

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