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食と環境
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◇リンゴは体に良い果物です

リンゴは、とても庶民的で一般的な果物です。贈答用の高価なものもありますが、スーパーなら1個100円で買えます。それに、品種もいくつか選べます。
青森県産、長野県産など、各地でさまざまな品種のリンゴが作られています。有名なのは「サンふじ」とか「サンつがる」。また「王林」や「ジョナゴールド」といったところでしょうか。

食べ方(摂取方法)にしても、リンゴの果実をかじって食べるよりジュースにして飲むのが好きだという方も多くいらっしゃるでしょうし、パイやケーキの材料に使う方もおいででしょう。
さて、このリンゴという果物、実は海外では4000年くらい前から栽培されているようです。日本に持ちこまれたのは明治維新の後で、青森県の津軽地方でまず栽培が始まったとされています。


毎日リンゴで「医者いらず」

どこの国で言われ始めたのかわかりませんが、次のような言葉があります。

  毎日1個のリンゴで医者いらず

同じような言い方をされるものにトマトがありますが・・・<トマトが赤くなると医者が青くなる>・・・とにかく人々は、昔からリンゴが健康にかなり役立つ食べ物であることを知っていたようです。
そこで今回はこの「リンゴの効用」について、実際にどういった良いことがありそうか具体的に考えます。


リンゴはどのように健康に良いのか?

まず最初に、リンゴが健康増進に役立つという説<学者や医師などの主張・海外での疫学調査の結果>を項目別に整理してみます。
実に多くの「効用・効果」があると主張されていることがわかります。

《リンゴの効用=項目別》

@腸内細菌のバランス改善(大腸ガンを予防、便秘を改善)
A血圧を下げる(高血圧症を予防)
B悪玉コレステロールや中性脂肪を抑制し、善玉コレステロールを増やす(動脈硬化症を予防)
Cヒスタミンを抑制する(アレルギー疾患を予防)
D口臭を予防する
E肺ガンを予防する
F活性酸素を抑制する

大雑把にまとめても、以上のように「効用」が指摘されています。ひょっとすると、まだ他にもあるかもしれません。これらがすべて本当なら、もう毎日三食にリンゴを加えたいと思えるほどです。
腸内細菌のバランス改善による整腸作用、血圧値、コレステロール値、中性脂肪値を下げて抑制する作用など、生活習慣病の予防にはもってこい! もう、定期検診も怖くないという感じです。しかし実際、本当にこれらの効果が期待できるのでしょうか?
そこで、これらの主な項目について、なぜそう考えられるのかという根拠を見てみましょう。


リンゴペクチンのうれしい働き

まず、上記@について。リンゴに含まれる水溶性食物繊維の「リンゴペクチン」という物質は、腸の運動を正常化すると指摘されています。具体的には、腸内において「善玉菌」と呼ばれる腸内細菌を増やし、いわゆる「悪玉菌」の繁殖を防ぐということです。そして、腸内細菌のバランスが良い状態に保たれると、免疫力も強く維持されます(いわゆる「腸管免疫」の働きです)。

【腸管免疫の働き】
口腔から消化器官に入る病原体(ウイルス・細菌・原生生物)の大部分は、唾液・胃液、さらに胆汁等の殺菌作用で死ぬと考えられますが、そこを生き残った場合はどうなるのでしょうか? 実は病原体が腸に達すると、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内フローラ)が邪魔をするのです。すなわち、腸壁から体内組織に侵入しようとする病原体を迎撃するため、腸内に棲む善玉菌が大活躍するのです。したがって、免疫力が高い(強い)状態というのは同時に、腸内で善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌など)が優位の「バランスが良い状態」ということになるのです。
こうして結局、腸内細菌叢に妨害された病原体は、組織に侵入できません。ですから、その人間を病気に引きずり込むことはできないわけです。

《悪玉菌はない方がいいのか?》
→腸内細菌の悪玉・善玉は、あくまで人間が主観的に分類しただけです。実際には、悪玉菌も善玉菌も「持ちつ持たれつ」状態でバランスをとっているとみられます。また、悪玉菌がゼロになることが「バランスが良い」ということではありません。

上記Bについても、国内や海外の疫学調査で報告されているものです。コレステロールや中性脂肪の増加は、動脈硬化につながり、さらには重篤な循環器疾患(脳卒中や心疾患=冠動脈疾患)を引き起こす原因となります。
そこで朗報です。リンゴペクチンはコレステロールの増加を抑制すると言われます。そのメカニズムは次のとおりです。
・・・リンゴペクチンは、人が食べた物が腸に入ったときに、胆汁酸によって血液中へ運ばれるコレステロールを包み込み、吸収を妨げる・・・とみられます。

《コレステロール検査値は低いといいのか?》
→低すぎるコレステロール値は、むしろ健康に有害であるという意見も強くあり(『中高年健康常識を疑う』柴田 博著:講談社刊などを参照してください)、コレステロール値を下げることばかりに気をとられるのは本末転倒と言えるでしょう。

リンゴペクチンが腸内環境を整えて免疫力を高めると、大腸ガンの予防にも効果があると考えられています。さらに、腸内の善玉菌は、ビタミンなど栄養素の合成にも関与しているとみられることから、その方向からも免疫力アップに貢献していると考えられています。

【リンゴとヨーグルトを同時に食べる】
リンゴペクチンの働きを最大限に利用するために、ヨーグルトと一緒に食べることが良いと言われます。実際にコンビニでは「リンゴヨーグルト」のような名前の商品も売られています。
これは、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を含むヨーグルトと一緒にリンゴを食べることで、善玉菌パワーを全開させようということでしょう。


アレルギー対策、肺ガン予防にも期待できる!?

上記Cについて、調べてみます。アトピー性皮膚炎・花粉症などの自己免疫疾患は、いわゆるアレルギーです。なかなか現代医学では克服できないアレルギーですが、この方面でも期待がもてると言われます。
なぜなら、腸内の善玉菌が体内の免疫細胞にも刺激を与えて活性化すると考えられるからです。

【免疫細胞】
人体は約60兆個の細胞で構成されていますが、そのうち約2兆個が「免疫細胞」です。免疫細胞はアミノ酸から構成されています。
また、免疫細胞の主体は「白血球」であり、この白血球は <マクロファージ、リンパ球、顆粒球> から構成されています。特にリンパ球細胞は、免疫システム(侵入してきた病原体を迎え撃つシステム)の中心的存在。

なおフィンランドにおいての疫学調査で、リンゴの継続的摂取によって肺ガンへの予防効果が高いことが指摘されているようです。


リンゴを食べ過ぎるとどうなりますか?

一般に、果物は糖分が多いため、食べ過ぎは良くないとされます。もちろん「過ぎたるはなお及ばざるが・・・」は当然ですが、糖尿病になるほど果物ばかり食べる方もあまりいないでしょう。
幸いなことに、リンゴに含まれる糖分は、それほど多くありません。すなわち、リンゴを食べ過ぎて太るとか、糖尿病になるというのは、かなり異常なほどの摂取量を前提にしなければ考えられないということです。
熱量(カロリー量)ベースで見ても、リンゴ100グラムは54kcalで、ドーナツの七分の一程度です。リンゴは毎日1個でなく、2個食べても大丈夫・・・というより、よりメリットが大きくなるでしょう。

※ただし、市販のリンゴジュースなどには糖分が加えられているものがあります。当然ですが、こういったジュース類を飲みすぎれば糖尿病にもなりかねません。

【果糖は砂糖より甘い】
リンゴなどの果物に含まれる糖分は「果糖」と呼ばれ、果物と蜂蜜に含まれます。この糖は、いわゆる砂糖よりもずっと甘いものです。

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